L-1ブランケットプログラムに基づく
Lビザ保持者の滞在、就労期限について
その1

文/デビッド・シンデル(Text by David Sindell)

 2015年10月8日、アメリカ弁護士協会とアメリカ国務省連絡委員会により発行された通達はとても重要な内容となっています。Lブランケットプログラムに基づいたL-1ビザ査証申請は、アメリカ大使館、領事館での面接申請のみでビザが取得できるというメリットがあり、提出書類の中にフォームI-129Sというものがあります。面接が無事に終了し、ビザ査証が発行される際、このフォームI-129Sにビザの有効期間が手書きで記載され、ビザ査証とともに返却されるのですが、アメリカ国務省は、今回の通達の中で、このI-129Sの有効期間の取り扱いに関する現国務省ポリシーについて、明確な解釈を示しました。

 このI-129Sへの有効期間の記載は、アメリカ大使館、領事館の領事により行われるのですが、その日付に対し、実際に発行されるLビザ査証の有効期限、さらにはアメリカ入国時に入国審査官により決定される就労及び滞在期限と異なるなど、多くの疑問が残っていました。

 とりわけ、世界各国のアメリカ大使館や領事館、またアメリカの各州国際空港など税関国境警備局(CBP:空港などアメリカへの入国審査機関)における審査官に対するトレーニングが続いており、その状況もまた、I-129Sに記載すべき有効期間やビザの期間、またI-94の期限の決定について混乱が続いている要因のようにも思われます。

 とりわけこの混乱は、2012年2月のアメリカ国務省による22CFR§41・54法の修正以降に顕著となり、国務省の発行するLビザ査証の有効期間(有効期限)と移民法上のLビザ認可期間とは全く異なるものとなりました。結果、国務省は各国との互恵協約(Reciprocity Agreement)に基づきビザ有効可能期間の上限まで有効なLビザを発行しています。日本など多くの場合、5年有効なLビザが発行されており、この期間はI-129Sに記載されるLブランケット有効期間に記載される最大期間(新規であれば3年、延長であれば2年)と異なる状況が発生しているのです。

 このように、面接時に提出するフォームI-129Sの記入欄には就労リクエスト期間(通常、新規であれば3年、延長であれば2年)を明記している一方で、政府の発行証によってそれぞれに有効期間が異なることから、多くのビザ保持者がどの有効期間に基づいてアメリカに滞在し、アメリカで就労すべきか困惑していることでしょう。

 なお、最近実施された連絡協議会2014年10月9日)において、アメリカ国務省は、Lビザ査証の有効期間が充分残っている状況でも、当初ビザ認可時にI-129Sに記載された有効期限を迎えるのにあわせ、アメリカ国外にあるアメリカ大使館、領事館にて、新しいLビザ申請が可能である旨、明確に解釈発表しました。更に、アメリカ国内においても、ステータス及び滞在延長するため、アメリカ移民局に対して個人ベースでLビザ延長申請を行うことも可能です。
(次号に続く)

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デビッド・シンデル (David Sindell)

デビッド・シンデル (David Sindell)

ライタープロフィール

NY州およびNJ州弁護士資格。外国法事務弁護士(外弁)として東京第2弁護士会所属。アメリカ移民法弁護士協会所属。日本語、フランス語に堪能。

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