今回は、H-1Bビザの2016年度の申請についてです。このビザ受付は、4月1日からとなりますが、H-1Bビザ申請を行うことを考えている人(申請者)、及び、そのスポンサーとなる企業(雇用主)は、申請までに、特に以下の3つの準備が必要です。
● 雇用主となるスポンサー会社
H-1Bビザの申請は、スポンサーとなる会社が行います。申請者はスポンサー会社を見つけなければなりません。雇用主は、申請者に対し、州政府機関が指定する最低賃金以上の給料を支払うことを保証します。最低賃金は、その地域における職業の平均給与などにより異なりますので注意してください。
● 学士号以上の学位を持っていることの証明
アメリカの4年制大学や大学院を卒業している申請者は、卒業証書の写し等が必要になります。アメリカ以外の国で、大学や大学院を卒業している場合は、それらの学位がアメリカの学士過程または修士課程と同等の過程であることを示すための鑑定を受ける必要があります。
※学士号を持っていない方は、同程度の職務経験があることを証明します。
● 労働条件申請制度
スポンサー会社となる雇用主が、労働局(Department of Labor)へ、労働条件申請(Labor Condition Application)を提出し承認を受けます。労働条件申請には、上記に述べた賃金条件を満たしていることや、H-1Bビザを取得する従業員の役職名などの情報を提示します。
以上3点を終えた上で、申請を行うこととなりますので、通常は余裕をもって1月中には申請者は雇用先を、雇用主の場合は申請者を決定し、弁護士と契約して内容を進めます。
H-1Bビザの基本的な条件は、学士号以上の学位、または同等の職務経験を持っていること、ビザスポンサーとなるアメリカの雇用主がいること、アメリカの会社での職務内容が、一般職ではなく、ある専門分野においての職務であること、その職務内容が学歴や職務経験の内容と一致していることです。
ご存知のように、1年間で発給されるH-1Bビザの数には限りがあります。従って、受付開始日である4月1日より5日間は申請の受付が行われますが、受付数が上限を超えた時点で、それ以降の申請は受け付けられません。過去2年の申請では、申請開始より5日間で上限を超え、受付締め切りとなりました。今年も同様、上限を超える申請が予想されますので、申請は4月1日に到着するよう前もって準備しましょう。
*本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。
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