第88回アカデミー賞大予想!!

文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)

 

 「Anomalisa」は、ストップモーション・アニメで非常に挑戦的な作品。アニメを選んだ理由は分かるが、ストップモーションにした意図が理解できなかった。劇中、大人のおもちゃ店で日本産のアンティーク玩具を購入するシーンに、日本人としてはやや複雑な思いがしたが、それは単なる前触れでしかなかった。その後、主人公の恋人が日本語の辞書に載っていた「アノマリサ」の意味を言うくだりで倒れそうになり、アンティーク玩具が「桃太郎」の歌を歌うシーンではムカっときた。日本にこだわっているくせに、監督が望む声と似たような声を持つ日本語が話せるタレントを使わず、外国人が何とか日本語を発音して歌っていたからだ。監督に次回会った時にはきっちり突っ込もうと決心した瞬間だった。

Anomalisa

 今回、このカテゴリーの候補に「Kahlil Gibran’s The Prophet」が入っていないのが筆者としては非常に残念だった。同作のアート性は素晴らしく、もう一度観たいと思わせた珍しいアニメ映画だったからだ。「Shaun the Sheep Movie」を入れるなら、同作が入るべきだろう。
 

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はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

ライタープロフィール

島根県松江市出身。映画ジャーナリスト・神主。NHKなどのアナウンサーを経て、映画・TV記者に。取材したセレブはのべ5000人以上。スターのインタビューや写真を全世界の媒体に配信する通信社Hollywood News Wire Inc. を経営 (一部をWhatsUpHollywood.comに掲載。動画インタビューはUTBでも放送中!!)。ハリウッドと日本の架け橋としてHollywood-PRを立ち上げ、PR・マーケティング、コンサルタントとしても活動中。
実家が神社(出世稲荷神社)なので神主の資格を持つ。島根県ふるさと親善大使「遣島使」。著書:TV『24』公式解説本『メイキング・オブ 24-TWENTY FOUR-』(竹書房)

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