第88回アカデミー賞大予想!!
文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)
- 2016年2月19日
スタジオ・ジブリは候補止まり?!
長編アニメ賞
長編アニメ賞に3年連続でスタジオ・ジブリの作品が候補入りした。「When Marnie was There」だ。日本では「思い出のマーニー」というタイトルで2014年の7月に公開された作品。イギリスの児童文学が原作で、同じくイギリスの児童文学を原作とした「The Secret World of Arietty」の米林宏昌が監督している。日本人としては同作を推したいところだが、このカテゴリーは、「Inside Out」の受賞が確実。
「Inside Out」は、筆者が日本から帰国した翌朝に試写があり、「あらすじから判断するに大したことない作品」と考えて疲労を押してまで行くのをやめた作品だった。周りの映画記者仲間からの評価をはじめ、多くの批評家が絶賛しているのを知るも、「アメリカ人のディズニー好きの戯言」と侮っていた。映画賞シーズンになってやっと鑑賞したのだが、そのクオリティーの高さにひれ伏してしまい、失礼な考えを持っていたことを心の中で謝罪した。
ミネソタ生まれの女の子ライリーの頭の中の感情(喜び、悲しみ、怒りなど)がそれぞれキャラクターとして登場し、脳内を冒険するという話なのだが、思春期を迎えたライリーが複雑な感情を持つようになるくだりを実にうまくストーリーに組み込み、また、寛容と共同作業の大切さについてそれとなく教えるという卓越した構成で話を展開している。このカテゴリーの候補作を全て鑑賞してはいないものの、受賞の太鼓判が押せるほど抜きんでている。
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