キアヌ・リーブス主演の1991年の同名映画のリメイク「Point Break」は、CGを使ったアクションに食傷気味の人にピッタリの作品。「Star Wars: Episode VII – The Force Awakens」の封切り1週間後の公開という強気も納得で、同じアクションでも本作はCGを使わず、実際にその分野で活躍するアスリートをスタントマンに起用して撮影し、まるでドキュメンタリー映画を観ているかのような錯覚に陥るほど。特に大波サーフィンとスイスの山間をウィングスーツで滑空するシーンには度肝を抜かれる。
ウィングスーツの滑空は風の抵抗を利用するだけにジャンパーそれぞれが接近して飛ぶのはかなりの危険を伴うが、本作ではアドレナリン中毒な登場人物4人が一気に滑空するという設定。キャストのスタントを務めたジャンパーに加え、カメラをつけたジャンパーも用意して撮影したシーンには息をのむ。一歩間違えれば仲間に激突して墜落してしまう危険を冒しての撮影だけに、その緊張感がスクリーンから伝わってくる。観客もアドレナリンを感じる瞬間だ。
大波サーフィンのシーンは、スタントを担当したプロのサーファーでさえケガを負ってしまうほど強力な波を使って撮影。その甲斐(?)あって、超大型のパイプラインをくぐり抜けるショットに興奮する。
犯罪集団のボスと潜入捜査官の主人公との親交を描く筋と世界を股に掛けた危険なスポーツの数々はオリジナルと変わらないが、本作では犯罪集団が日本人冒険家へのオマージュを捧げている点が加えられている。
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