イギリス人俳優トム・ヒドルストンが、1953年に29歳の若さで亡くなったカントリー歌手ハンク・ウィリアムズに扮し、南部なまりだけでなく、ギター演奏とカントリー曲の歌唱を自らこなした熱演努力を見せた本作。しかし、全体的にまとまりの悪い長編となってしまっていた。
ウィリアムズの6年間の音楽家人生を描いているのだが、濃い人生ではあったものの、音楽に対する姿勢や感情を深く語りきれておらず、浅いダイジェスト版になっていた。特に、カメラワークがそれに拍車をかけ、落ち着きのない印象を助長していた。
ライブのシーンは、現代のライブ会場内のスクリーンに投影する映像のようなカメラワークで、照明や舞台演出が当時を再現しているだけにかなりチグハグ。また、語りのシーンも手持ちカメラが常に動いて被写体を捉えており、せわしなく重みのない印象になっていた。公開日を延期しても修正はきかなかったようだ。(4月1日から劇場公開)
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