加州でナッツの大量盗難頻発
15年の被害額900万ドル

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 カリフォルニア州の農業地帯セントラルバレーで、ナッツ農家を狙った大量窃盗事件が急増している。アーモンド、ピスタチオなどの栽培農家がブローカーを通じて呼んだトラック業者に渡した大量の商品が、輸送の途中で消えてしまうのだ。
 ロサンゼルス・タイムズによると、同州テュレアリのホライゾン・ナットでは2015年11月、東海岸に商品を送るためトラックを呼んだ。運転手は書類を持っていたがややずさんだったので仲介業者に電話したところ、積み込んでも大丈夫だと言う。それを信じて4万5000ポンドのピスタチオを運転手に引き渡したが、数時間後にロサンゼルス/ロングビーチ地区の港でトレイラーから降ろされたのを最後に、代金45万ドルの荷物は行方不明となった。
 加州では昨年、同種の盗難が31件も発生し、被害総額は900万ドルに上った。ホライゾンの担当者は「私たちがドライバーに荷物を渡したんだから、強盗ではない。やや疑わしい運送会社による正式な受け渡しだった。これは詐欺だ。暴力もなく、何も残らなかった」と話す。
 貨物保険大手トラベラーズ(コネティカット州)によると、ナッツ泥棒の大半は監視の目を盗んでトレイラーに忍び込むようなことはせず、架空の会社を名乗ってまともなトラック業者に運送を依頼し、農場が使う倉庫とは別の場所に向かわせる手口が多い。ドライバーは荷物を降ろした時点で報酬を受け取るため、犯罪に加担している自覚がない。

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