モールやテーマパーク
警備支出を大幅拡大

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 人が大勢集まるショッピング・モールやテーマパークが、警備支出を大幅に拡大している。フロリダ州オーランドで6月に起きた銃乱射事件のような惨事を防ぐためだ。
 ロサンゼルス・タイムズによると、9.11同時多発テロのような組織的な攻撃に対しては、航空会社が多額を投じて空港の警備を強化した。しかしオーランドや2015年末のカリフォルニア州サンバーナディーノ銃乱射事件のように、単独犯によるテロの標的は拡散している。このため、特定の場所に集まる大勢を相手にするビジネスは、客の安全確保のためこれまでにない多額の投資を行っている。
 あるコンサルタントによると、テーマパーク業界は年間約2億5000万ドルを警備に投じているが、今後数年間でこのコストは1億ドル以上増える見込みだ。世界最大のセキュリティ団体ASISインターナショナル(バージニア州)のデータでは、米企業が14年に警備に投じた金額は約3410億ドルで、インフレを考慮しても1990年の3倍以上。特に13年以降は毎年約10%ずつ増加している。有線カメラだけでも現在の市場規模は80億ドルと、20年前の約17倍に拡大した。
 警備を強化する企業の多くは、客に恐怖を与えないことに気を配っている。ロサンゼルスのモール「グローブ(Grove)」では、300台以上の監視カメラに加え、武器を持たない制服警備員と目立たないが武器を携帯した警備員が巡回しているという。しかしこれに気づいている買い物客は少ない。

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