七面鳥に興味なし、ラスベガスへ!
南カリフォルニアの中国系移民

venetian-562754_1280

 アメリカのサンクスギビングデー(感謝祭)は、多くの人にとって家族で過ごす休日だが、中国系を含むアジア系の移民にとっては、なかなか親しみがわかない祝日のようだ。
 11月26日付ロサンゼルス・タイムズの記事(“Thanksgiving in Las Vegas: A holiday tradition for many Southland Asians”)によると、南カリフォルニアに住むアジア系の多くが、サンクスギビングはラスベガスで、と考えている。
 アメリカへ来たばかりの移民一家ほど、サンクスギビングの行事には馴染みがなく、単なる連休だという意識をもっている。
 そのため、通常よりホテルが安くなり、バッフェの行列も短くなるサンクスギビングは狙い目なのだ、とモントレーパークにあるアジア系の旅行代理店の関係者は語る。
 ウォルナットに住む中国系のチウ一家は、長年、サンクスギビングになると友人や親戚を招いて、ターキーやハム、マッシュドポテトといった典型的なディナーを用意してきた。しかし、ターキーを好む人は少なく、毎年大量に料理が残ってしまい、結局最後はみんなでチャイニーズ・レストランへ行く羽目になったという。それで3年前から、サンクスギビングはラスベガスで過ごすことにした。
 ラスベガスでは、似たようなアジア系が多く、バッフェの列に並んでいると親戚や顔見知りに出くわし、列の順番を取っておいてもらったりすることもあるそうだ。ディナーの後はショーを見たりギャンブルをしたりして過ごし、翌日のブラックフライデーには、周辺にいくつかあるアウトレットへ朝から行って買い物をする。
 ラスベガスのチャイナタウンでは、サンクスギビングは通年でもっとも忙しくなる時期のひとつだ。レストランの行列は朝から晩まで途絶えることがない。飲茶の店は、通常の数時間前から店を開け、感謝祭の気分を味わいたい客のためにターキーも焼くという。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. キッコーマン うちのごはん 忙しくて食事の準備に時間はかけられないけれど、家族やお子...
  2. ニューヨークの古い教会 根を詰めて仕事をし、極度に集中した緊張の日々が続くと、息が詰まって爆...
  3. ダイナミックに流れ落ちるヴァージニア滝の落差は、ナイアガラの滝の2倍 カナダの北西部、ノース...
  4. アメリカでは事故に遭い怪我をした場合、弁護士に依頼することが一般的です。しかし日本にはそう...
  5. グッゲンハイム美術館 Solomon R. Guggenheim MuseumNew York ...
  6. 2023年2月14日

    愛するアメリカ
    サンフランシスコの町並み 一年中温暖なカリフォルニアだが、冬は雨が降る。以前は1年間でたった...
  7. キルトを縫い合わせたような美しい田園風景が広がるグラン・プレ カナダの東部ノヴァスコシア州に...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る