
© Open Road Films
2013年6月、元NSA職員のエドワード・スノーデンが政府による個人情報収集について告発した。祖国アメリカから逮捕状が出たために帰国できず、ロシアに亡命した彼は、弁護士を通してオリバー・ストーン監督に接触を求めた。「Platoon」や「JFK」「Comandante」など、母国アメリカの政治腐敗や欺瞞などを糾弾する映画を作り続けてきたオリバーは、スノーデンの話の映画化の監督には誰がみてもベストな選択であり、また、彼の好きそうな題材でもあったので、映画化について模索していたのかと思いきや、オリバー本人に会って、そうではないことが分かった。当初は興味が無かったそうだが、スノーデン本人に会うチャンスを見過ごすことはできず、ロシアに会いに行ったことから始まったという。
「最初に会った時は、お互いうんざりして疲れていた。映画化するのかも分からず、映画化するなら完全なるフィクションにするというオプションも頭に浮かんだ。でも本人に何度か会ううちに、とても興味深い情報をくれて、それから共同脚本家のキリアン(・フィッツジェラルド)を同伴して話を聞き、取材をして書き上げていった」と内幕を教えてくれた。
政府のプライバシー侵害について告発した青年スノーデンがどんな人物かが分かるだけでなく、彼が携わった業務や仕事内容も非常に分かりやすく、そして、ドラマも巧みに盛り込んでまとめた映画「Snowden」。日本のシーンのお粗末さには目をつぶって、今年のベスト映画に挙げたい。
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