老後の日本帰国のための情報 「医療保険」(前編)

文&写真/蓑田透(Text and photo by Toru Minoda)

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米国同様日本でも高齢化が進んでいます。日本の総務省統計局の調査によれば、2015年時点での日本の65歳以上の高齢者の人口はおよそ3384万人、全人口の約1/4を超え、人口、割合共に過去最高となりました。男女別にみると、男性は1462万人(男性人口の23.7%)、女性は1921万人(女性人口の29.5%)と、女性が男性より459万人多くなっています。そしてこの数は今後増えていくことが予想されます。ちなみにこの約1/4超という高齢者の割合については日本が世界中で最も高く、米国は約15%(世界第38位。2015年世界銀行発表)となっています。
こうした高齢化社会の中で(実際には高齢化と共に少子化傾向も進んでおり「少子高齢化」とも言われています)、日本における社会保障制度はさまざまな課題を抱えながらも国民の安定した生活を支えています。今回から連載でこの社会保障制度の中でも特に医療、介護、年金等高齢者関わる部分について紹介していきたいと思います。現在米国在住で、将来日本で老後の生活を送りたいと考えている方の参考になれば幸いです。1回目のテーマは医療保険制度です。

(1)医療保険制度の概要と加入該当者

日本の医療保険制度の最大の特徴は、国民全員が加入する「国民皆保険」である事です。もともと船員や公務員など労働者のための健康保険制度でしたが、昭和36年(1961年)に現在の国民健康保険制度が導入されました。保険制度ですから、加入者が傷病、死亡、出産など不時の出費に備えて保険料を出し合い(サラリーマンの場合は事業者も半額負担)、いざという時に医療サービスを受けるという保険の仕組みが適用されますが、その多くの財源を国が制度として拠出しています。医療保険は図1のように現在3つの制度から構成され、年齢や職業によって適用する制度が異なります。

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 75歳未満のサラリーマンやその家族は①健康保険制度、自営業者や学生、その家族は②国民健康保険制度による医療サービスを受けます。そして75歳以上の高齢者については一律に③後期高齢者医療制度による医療サービスを受けることになります。保険者(保険制度の運営者)は①が全国健康保険協会、健康保険組合、②が市町村、国民健康保険組合、③が市町村となります。尚米国と異なり日本の医療保険制度は国民皆保険といって国民全員が加入しなければならず、自分は必要ないので医療保険に加入しないという選択はできません。(一部低所得者については別途生活保護による医療扶助制度あり)
加入手続きですが、①は勤務する会社が代わりに手続をしてくれますが、②や③に加入する場合は世帯主の方が家族の代表として地元の自治体(役所)で手続を行ないます。

いかがでしょうか?次回は医療保険サービスの内容や保険料について紹介します。

【耳より情報】
10月8日~16日、米国各地で無料セミナー開催決定。詳しくは下記まで。

http://www.life-mates.jp/event/USseminar2016

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蓑田透 (Minoda Toru)

蓑田透 (Minoda Toru)

ライタープロフィール

早稲田大学理工学部卒業後、総合商社入社。その後子会社、外資系企業等IT業界で開発、営業、コンサルティング業務に従事。格差社会による低所得層の増加や高齢化社会における社会保障の必要性、および国際化による海外在住者向け生活サポートの必要性を強く予感し現職を開業。米国をはじめとする海外在住の日本人の年金記録調査、相談、各種手続きの代行サービスを多数手がける。またファイナンシャルプランナー、米国税理士、宅建士、日本帰国コンサルタントとして老後の日本帰国に向けた支援事業(在留資格、帰化申請、介護付き老人ホーム探し、ライフプラン作成、不動産管理、就労・起業、税務等の相談・代行)や、海外在住者の日本国内における各種代行、支援サービス(各種証明書の取得、介護・葬儀・相続など日本在住の老親のサポート)を行う。

●豊富な実績に基づくていねいなサポートで
ひっきりなしに持ち込まれるお客様からの国際手続きに関する多種多様なご依頼、ご相談(お悩み)を断り切れず休日返上で対応しているうちに、気がつけば(年金、日本帰国といった当初の事業以外の)あらゆる分野のノウハウを備えたオールラウンドコンサルタントに。当社で対応できないケースでも、的確な解決方法や提携先の他分野専門家を紹介します。

ホームページ:ライフメイツ(ライフメイツ社会保険労務士事務所)
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