老後の日本帰国のための情報 「医療保険」(後編)

文&写真/蓑田透(Text and photo by Toru Minoda)

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前回の「老後の日本帰国のための情報 「医療保険」(前編)」に引き続き日本の医療保険制度について紹介致します。

(2)受けられるサービス

皆さんが病院で診療を受けたり入院した場合、病院でかかった医療費のうち一定の額が健康保険から支払われ、残りの分を皆さん自身が支払います。この自分が負担する分を「一部負担金」といいますが、その割合は次の表の通りです。

年  齢 適用制度 一部負担金割合
75歳以上 ③後期高齢者医療制度 1割*
70歳以上75歳未満 ①健康保険制度

または

②国民健康保険制度

2割*
小学生以上70歳未満 3割
小学生未満 2割*

*所得が一定以上の人は3割負担となります

つまりかかった医療費の7割~9割を国が負担してくれます。またたとえば大きな手術をした、難病のための特別治療を行なった、など医療費が高額となるケースではたとえ1割~3割でも大きな負担となってしまいますが、そうした場合は「高額療養費」という制度があって、通常の医療費とは別に追加で医療費を負担してくれます。

(3)保険料

保険制度ですからこうした医療給付を受けるためには、毎月保険料を支払わなければなりません。①健康保険制度ではサラリーマンが会社から支給される給与額によって保険料が決定され、その支払方法は毎月の給与から控除されます。②国民健康保険制度や③後期高齢者医療制度では各地方自治体ごとに前年の所得によって保険料額が設定され、その支払は自分で納付する方法と年金受給者は毎月の年金受給分から控除される方法があります。②③の制度では、米国から日本に移住した場合の最初の年は日本における前年の所得がありませんので、その保険料は低所得者扱いとなり保険料は安くなります。たとえば「夫:72歳、妻:68歳」のケースで米国から東京都内に転居した場合の夫婦二人分の合計保険料は次の通りです。2年目以降は前年の所得に応じて保険料が変わりますが、ここでは「夫:年金収入250万円/妻:年金収入75万円」と想定して算出しています。

■転入した年:約28,000円 (月額: 約2,300円)
■2年目   :約179,000円(月額:約14,900円)
(備考)・端数処理しているので目安として下さい。
・支払いは月単位となります。

(4)民間保険会社が提供する保険商品

また混同しないよう民間の保険会社が提供する保険商品について簡単に補足致します。民間の保険商品は公的医療保険ではありませんが、公的医療保険ではカバーできない一部負担金や勤労者が病気やけがで働けず所得がなくなってしまう事態に備えて希望者が加入するものです。「入院費5,000円/日」「3大疾病保険」など、状況に応じて保障を行なう商品が各種提供されていて自分で必要と思うものを選びます。家族がいる方などどうしても公的医療保険だけでは不安という方は、民間の保険サービスに加入することでより高い保障を得ることができます。

いかがでしょうか?日本の医療保険の全体像が少し見えてきたでしょうか?医療保険は介護保険とは別の制度になります。社会保障という意味では同じような目的の制度なのでその区別がわかりづらいかもしれません。今後介護保険制度についても紹介してきたいと思います。

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蓑田透 (Minoda Toru)

蓑田透 (Minoda Toru)

ライタープロフィール

ライフメイツ社会保険労務士事務所代表。早稲田大学卒業後IT業界に従事していたが、格差社会による低所得層の増加や高齢化社会における社会保障の必要性および国際化による海外在住者向け生活サポートの必要性を強く予感し、現事業を開業。米国をはじめとする海外在住の日本人の年金記録調査、相談、各種手続の代行サービスを多数手掛ける。またファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)、米国税理士、宅建士として老後の日本帰国に向けた支援事業(在留資格、帰化申請、介護付き老人ホーム探し、ライフプラン作成、成年後見制度、不動産管理、就労・起業、税務、等の相談・代行)や、海外在住者の日本国内における各種代行、支援サービスを行う。

ホームページ:ライフメイツ(ライフメイツ社会保険労務士事務所)
 日本の年金・老後の帰国相談室
 障害年金相談室
 コロナ対策助成金相談センター

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