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厳選された至上のレストラン第2回
〜Shibumi〜
- 2017年5月11日
日本からの食材を積極的に使っているお店を応援しようという趣旨のもと、
アメリカ国内の様々なレストランを紹介していく。
LAのダウンタウンは、光と影という言葉では語りつくせない様々な顔を持つ。特に近年、ハリウッドに代わり、昼間の喧噪が一段落したころ、若者が集まるお洒落なクラブやバーなど、夜の顔が動き始める。
Shibumi(渋味)レストランは、そんな街並みの中でひっそりと佇む、「隠れ家レストラン」とも呼ぶべき存在だ。私が最初にこの店に訪れたのは、友人から招待されたイベントだった。外に看板がないため、完全に通り過ごしてしまった。お店の中に一歩入るとモダンな空間と雰囲気に、一瞬時間が静止してしまう。 このお店の中にある空気は、心から和食を楽しむ人達の喜びなのか、何故か楽しい気分にさせてくれる。青山あたりにありそうなお洒落な雰囲気なのに、全く堅苦しくなく、独特の居心地の良さを感じてしまう。
渋味レストランのオーナーシェフは、なんとアメリカ人だ。
David Schlosser氏は、LAで最高峰に評価されている「Urasawa」と、京都の三ツ星で老舗料亭の「菊乃井本店」で修行してきた。京都に5年住んでいたそうで、(無口な性格ながら)とても流暢な日本語を話す。彼の料理のスタイルは、伝統的な和食であり、旬の食材を生かしたモダン割烹である。アメリカによくある、フュージョンや創作料理では決してない。正統派の割烹料理だが、日本の料亭などで味わう割烹料理とは、
単品のオーダーは、ちょっと気の利いた酒の肴になるものが多い。日本酒に合う料理が多いので、日本酒のセレクションもかなりの物だが、日本からの輸入のウィスキーも揃っている。料理は、宮崎産の牛刺しなどもあるが、お任せのコースというのが所謂お勧めの懐石コース。このお任せは、シーズンごとにメニューが作られる。この春のコースは、富山のホタルイカの柚子味噌あえ、のれそれ(穴子の稚魚)、真鯛の刺身、筍の焼き物、スモークした日本海の桜鱒、など旬の高級食材を日本から直輸入している。デザートは、苺を使った麹アイスクリームと毎日作っている桜餅と懐かしい味を堪能させてくれる。
このレストランのもうひとつの拘りは、料理を盛り付ける器である。日本から直輸入の手焼きの陶器などがその料理に彩りよく使われる。
店内に入ったその瞬間からの空気感。さりげなく出てくる料理の流れ。彼が和食の道を志し、言葉もろくに通じない日本で修行を積み重ねてきた不断の努力の成果。そして彼の情熱が、犇々と伝わってきた。この店の常連客のほとんどがアメリカ人なので、日本人の皆さまにも是非スクロッサ―シェフの、”割烹料理”を試して欲しい。
Shibumi
日本食材サポーター店
■ 住所:815 S. Hill in Downtown LA.
■ 電話:213-265-7923
■ホームページ: www.shibumidtla.com
日本食材サポーター店認定制度
日本農林水産省が定める制度で、日本産の食材や酒類を積極的に使用し魅力を伝えているお店を日本食材サポーター店として応援する制度が米国でも始まりました。日本産食材の輸出を促進する事で、日本の生産者や食品事業者を支援していくものです。今後もこのコラムで、日本産食材を取り扱うお店やレストランをご紹介していきます。対象は全米の食品小売店と飲食店です。ご推薦のお店やレストランがございましたら、是非ご連絡お願い致します。
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