ビジネス買収時に確認要!
E-2ビザ申請の要件を満たさない
事業買収に注意

文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)

アメリカでビジネスや会社を買収し、E-2ビザを申請するケースがよく見られます。しかし、ビジネスを買収さえすれば必然的にビザを取得できる、ということではありません。場合によっては、買収した会社がE-2会社としての要件を満たさない、とみなされることもありますので、よくある落とし穴について理解し注意しましょう。ここではいくつかの例を紹介します。

その1

Aさんは、25万ドルで売却に出ているガスステーションを見つけました。しかしAさんがビジネス買収に使える額は10万ドルです。Aさんの10万ドルを頭金として、残金の15万ドルは約束手形としてガスステーションを担保に、ビジネス購入契約を締結しました。しかし、このビジネス買収をもとにAさんがE-2ビザを申請したところ、大使館から拒否されました。Aさんの事業がE-2ビザ申請の「実質的な投資」の要件を満たしていないためです。Aさんの事業は、融資の担保としておさえられ、融資が購入価格の60%を占めていました。

その2

Bさんは、不動産を含むモーテルを80万ドルで購入しましたが、そのうちの15万ドルを頭金として支払いました。売買契約は、買収額の80%にあたる残りの65万ドルを融資する約束手形を含み、モーテルを担保としました。BさんのE-2ビザ申請も拒否されました。

解説:既存のビジネスを買収しE-2ビザを申請する場合、買収額に対する融資額が制限されます。 ビザ申請は審査官の裁量によって審査されるため一概には言えませんが、広範なガイドラインは存在します。 通常、事業買収額が10万~50万ドルで、買収する事業が担保として扱われる場合、融資額を買収額の25~30%以内に制限することが推奨されます。

その3

Cさんは、従業員2名で運営しているフードトラックのビジネスに目を付けました。売主は、事業の売上げもあり順調だと言いました。しかし会社の確定申告を見ると、収入は2万ドルほどしか申告されていません。売主は、現金のビジネスのため全ての売上げを申告していないと主張します。Cさんは、このフードトラックビジネスでE-2ビザ申請を拒否されました。

解説:申請者自身やその家族を養うためだけの収入を生み出す事業では、ビザを取得できません。E-2ビザを取得するには、会社として、アメリカで多くの雇用を生み出し、投資家や家族の生活をサポートする以上の利益をあげている必要があります。例えば、ビジネスがある州の平均年収を上回る収益をあげている事業を探すことで、このようなリスクを回避できるでしょう。 また、Cさんの例のようなビジネスを買収した場合でも、雇用を増やす、しっかりしたビジネスプランを提出し、申請者の事業拡大の実績などを示すことで、審査官を説得できることもあります。

※本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。

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ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ライタープロフィール

ウィリアム・S・リチャードソン・スクール・オブ・ロウ卒業。米国移民弁護士協会所属、米国弁護士協会所属、ハワイ州弁護士協会所属。日本居住歴19年。バイリンガル。

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