J. MORITA USA, INC.
アメリカのビジネスは、今

今、アメリカのビジネスシーンはどうなっているのだろう?
困難をどう乗り越えたのか。成功の鍵はどこにあるのか。
キーパーソンに、アメリカでのビジネスのヒントを聞いた。


カリフォルニア州アーバインにオフィスを構えるJ. MORITA USA, INC.のCEO Hiroshi TanakaさんとエグゼクティブバイスプレジデントFujio Zushiさんに話を聞いた。
[話:Tanakaさん]

アメリカでの事業内容

J. MORITA USA, INC.は日本で製造した歯医者さん向けの歯科医療器材の輸入販売をしています。販売の比重が高いものは、三次元的に口腔領域を映し出し診断をすることができる製品。所謂レントゲン装置ですね。以前は平面の画像でしたが今は立体で見ることができます。次に、根管治療に使用される製品は一時期全米の85%のマーケットシェアを誇る程多くの歯科医院に使用していただいており、最初に弊社をアメリカで根付かせてくれた製品です。また近年は歯科だけではなく耳鼻科などの医科分野へも範囲を広げています。

歯に対する日米の違い

まず保険制度が異なります。日本は国民皆保険制度で歯科治療はカバーされますが、アメリカはデンタル保険に別途加入する必要があります。アメリカ人の歯科保険加入率は人口の約半分と言われていますので、多くの方が経済的に歯医者さんに行くことができません。一方、歯科保険の加入者は年に数回の無料チェックを受けられるケースもあり、そうした方は歯医者さんに通う回数は日本より多いと思います。加えて、アメリカでは歯の美しさに非常に関心が高く、矯正はやっていて当たり前、ホワイトニングも頻繁に行います。日米間では制度の違いだけでなく、歯に対する感覚の違いもありますね。

アメリカでのビジネスの拡大の流れ

私が最初に赴任した2007年から現在の2018年までお陰様で年々販売台数が増えております。販売に関しては直接販売をしていた時期もありましたが、幅広く皆様にご利用いただきたいということで現在はディーラーさんを通して販売しています。販売価格を考えると直接販売は魅力的ですが、修理やメンテナンスを行う人員を全米に広く設置する必要があり、その活動経費はかさみます。見た目の経費は安くてもトータルのコストは高くなるということを経験し、この広いアメリカではディーラーさんの力をお借りしています。

日米のビジネスの違い

ポジティブシンキング
99%悲観的な中でも1%のポジティブなことを探すのがアメリカ。困難な状況下でも自分も周りも勇気づけ盛り上げていくのが上手です。以前一緒に仕事をしていたアメリカ人がその典型で、別の人から見ると能天気と映るかもしれませんが、私は彼に非常に教えられました。また、失敗を怖がらずチャレンジする、そしてチャレンジした人を称えるという良い循環を作ることにも長けていますね。

スピード
アメリカは自分の与えられた責任と権限の範囲内でスピーディーに判断し行動することに優れています。判断の速さと行動の速さが日米で違います。これには思考と文化が関係しているので簡単には変わらない部分だと思いますが、従業員への権限の移譲を行い、挑戦したことに対して称える文化を作ることで日本も変わっていくのではないかと思います。

進出希望者へのアドバイス

新規で進出する際、まずは調査会社を通して作成した分厚いレポートを読んで、というプロセスに入るでしょう。これは日本の流儀からすると避けては通れない過程だとは思いますが、一番大切なのは経験してみること。セミナーで様々な話を聞いて、本を読んでも、来てみないと分からないことだらけです。大きな投資ではなく、最初は取り返せるレベルの小さな規模で挑戦し、実際に住んで、体感することで、本当のことが身につくのではないでしょうか。

日本の文化は波風を立てず同じことをやっていると上手くいくことが多いですが、海外でビジネスを行う場合は人がやらないことをやり、人が考えないことを発想することが必要ですね。

[話:Zushiさん]
米国進出や赴任に際し、英語に不安を抱いている方は多いかと思います。私は最初に渡米した時は全然英語が話せなかったので、まずは社内の人とのコミュニケーションを取ることを目標にして、筆談したり絵を書くなど、なんとか意思疎通を図っていました。当時は電子辞書を片時も離さずに持っていましたし、家に帰ってからも英語のテレビを見て耳をならすということを長期間続けた結果、少しずつ英語が身につきました。実際、英語が話せない状況で赴任となるケースも多いので、恐れずにトライしてみることが大事だと思います。

今後の展望

今世界は更にデジタル化を遂げている変革期です。例えば歯科診断の際に使用していたレントゲンも、以前はフィルムに印刷して診察していましたが現在はスクリーン上で見る形になったように、技術革新による業態の変革が行われています。安定している時はチャンスは少ないですが、世の中が大きく変わる時にチャンスが芽生えます。また、上手く行っている時こそ、新しい分野に目を向けるべきだと感じていますので、新しい治療、新しい装置、新しい医療分野、新しいフロンティアを求めて開拓していきたいです。

販売高や客数などのスケールではアメリカの会社を上回ることは難しいですが、認められるクオリティー、製品、サービスを提供することにより、お客様から「Moritaは一味違うな」と指名で購入していただける企業であり続けたいですね。

J. MORITA USA, INC.

■ホームページ:https://www.morita.com/america/en/
■住所:9 Mason Irvine, CA 92618 USA
■電話:800-831-3222

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