気になる髪のQ&A
- 2019年4月3日
- 2019年4月号掲載
白髪に関する悩みやヘアカラーの使い方、ケアの仕方など、髪の毛に関する気になるポイントをQ&A形式でお答えします。
Q.白髪は抜くと増えるって本当?
結論から言えば、抜いたことが原因となって白髪が増えることはありません。一般的に、白髪を抜いたり染めたりする時期は、白髪が生え始めた時期、つまり白髪が増えていく時期です。そのため、抜いたら白髪が増えたと感じるのでしょう。
白髪を数本見つけた時、あるいは数えられるうちは、「白髪を見つけたら抜く」という白髪ケアをしている方が多いと思います。しかし、髪を抜くと毛根に傷がついて炎症を起こしたり、毛髪が再び生えなくなったりする場合があるため、できるかぎり白髪は抜かないほうが良いでしょう。
年齢にもよりますが、白髪の何割かは治る可能性のある髪だと、最近の研究ではいわれています。白髪を抜くことは、何かのきっかけで黒くなる可能性のある髪の見込みを減らしてしまっていることになるのです。どうしても白髪が気になる時は、抜くのではなく、根元からていねいに切る、または白髪染めをすることをおすすめします。
Q.黒髪用のヘアカラーでも白髪染めはできるの?
黒髪用ヘアカラーも白髪用ヘアカラーも、髪を染める基本的な仕組みは同じですが、色の作り方が異なります。黒髪用ヘアカラーでは白髪を十分に染められなかったり、色合いが不自然になったりすることが多いため、白髪染めにはおすすめできません。
Q.男性が女性用のカラーリングを使っても問題ない?
色みや使い勝手が好みに合えば、男性が女性用の白髪染めを使っても、その反対でも問題ありません。男性用と女性用の白髪染めに基本的な成分の違いはなく、一般的な男女の好みに合わせて色みや風合いを調整しています。また、男性は髪が短い人が多いため、付属のブラシやコームは短めの髪に合わせて作られているという違いがあります。
Q.ヘアカラーの色落ちはどうすれば防げるの?
白髪用ヘアカラーは髪の内部に染料が定着するため、ヘアマニキュアやカラートリートメントに比べて色落ちしにくい特徴があります。しかし、日数が経てば徐々に色は落ちていきます。
色落ちの要因は主に2つあります。一つは「水」。髪を洗う時の水はもちろん、夏場の汗、プールや海水浴なども色落ちを早めます。髪の毛が水に浸かると毛髪の内部に水分が入って膨らみ、膨らんだ組織の隙間を縫って染料が流れ出てしまうのです。
もう一つは、染料が「壊れる」場合。髪の毛の中で定着した染料は、何らかの要因で壊れると色が薄くなり、色落ちしたと感じます。染料が壊れる原因はさまざま。直射日光、過度なドライヤーやヘアアイロンの熱、プールに含まれる塩素などが原因の場合もあれば、自然退色といって、空気中の酸素による酸化が原因の場合もあります。
できるだけ色落ちを防ぐには、白髪用ヘアカラーの説明書に沿って使うことが重要です。放置時間が短すぎると、染料が髪の毛に十分浸透しません。反対に長すぎると、仕上がりの色がイメージからかけ離れてしまったり、髪や頭皮への負担が大きくなったりします。
髪を洗う行為も、色落ちの要因の一つです。シャンプーをする時は、「必要以上に時間をかけずに」を心がけると良いでしょう。また、髪のダメージが大きいほど色落ちしやすくなるため、日頃のヘアケアも大切です。タオルドライの際に髪の毛を擦らない、濡れた髪のまま強くブラッシングしない、ドライヤーで髪を過熱しすぎないなど、濡れた状態での髪の摩擦をなるべく抑えることも有効です。

毛髪スペシャリスト 高橋恵子
東京都生まれ。ホーユーアメリカのR&D研究員。アメリカを中心に、北中南米のヘアカラー、ヘアケア商品の開発に従事。毎日、さまざまな人種の髪で新商品をテストしている。趣味は読書とパン作り。
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