Tokyu Land US corporation
アメリカのビジネスは、今

今、アメリカのビジネスシーンはどうなっているのだろう?
困難をどう乗り越えたのか。成功の鍵はどこにあるのか。
キーパーソンに、アメリカでのビジネスのヒントを聞いた。

アメリカで不動産開発、投資を行うTokyu Land US corporationのPresident柏木 信英さんに話を聞いた。

ニューヨーク・マンハッタンでのプロジェクト

東急不動産は2012年に米国子会社であるTokyu Land US Corporationを設立しアメリカで事業を開始しました。現在取り組んでいる中で最も規模の大きいプロジェクトは、ニューヨークの オフィスビル開発―425パークアベニューのプロジェクトです。
ニューヨークは米国のみならず世界でも有数のオフィスマーケットであり、当社の案件はニューヨーク、マンハッタンの中でも歴史的にも格式の高いエリアに所在し、パークアベニュー沿いでは、ここ50年で初めての新築物件です。設計もノーマンフォスター設計事務所によるデザイン性の高いビルとなっており、当地区における新たなシンボルになることを期待しています。

新規開発と稼働賃貸事業のバランスが大事

当社の事業展開ですが、更地の状態から新しいものを作り出す開発案件は、このニューヨークのプロジェクトがまさに代表例ですが、新しく付加価値の高いものを作り出せるというメリットがある反面、数年にわたる開発期間中は収益を生まないという側面もあります。一方、現行テナントに賃貸を行っている物件を取得する場合は、すでに収益を生みだしており、投資としてのリスクは開発物件と比較すると低くなります。当社は、リーマンショック後から米国での投資を始めており、景気後退局面を経験しておりません。不動産事業は景気の影響を大きく受け、過去をみれば米国の不動産マーケットも好況期と不況期の波が非常に大きいと感じております。
その観点で、開発案件とともに現状力を入れているのが、「バリューアド事業」といわれる投資事業です。これは、既存の賃貸不動産で築年が古くなってしまったなどで外装や、内装、設備が周辺の物件と比較して魅力が劣る物件を購入し、改修することで魅力を高め、賃料を高くとれるようなものに変えて「価値を上げていく」事業です。先ほど述べたように、既に収益を生んでいる不動産への投資なので新規開発案件とは異なる特性を持っており、リスク管理の観点からそれぞれの事業をバランスをとりながら実施していくつもりです。

どうやって事業を展開する?

現状は、ローカル(アメリカ)の不動産会社とパートナーシップを組み事業を推進しています。
資金の調達や新築工事、改修工事、賃貸事業の収入、支出といった運営計画などは米国での不動産事業の経験が豊富にあるパートナーの知見を活用しながら事業を進めていきます。
パートナーの選定とともにエリアの選定も重要です。米国は東海岸、西海岸、中西部その他にわたり大きな不動産市場が複数あります。それぞれの市場にも特徴があり、どこで投資をするかが戦略的に非常に重要な要素であると感じております。
現状は、複数の市場規模の大きいいわゆる大都市といわれるマーケットで事業を行っています。具体的にはロサンゼルス、シアトル、ニューヨーク、アトランタ等で投資を行っています。大都市の中でも、テナントの需要と供給のバランスが取れている都市を選ぶのが重要と考えています。例えば、テキサス州は比較的新規の開発を推進しているため、新しいものの開発が進めやすいエリアです。しかし、長い目で見ると需要に比べて供給が過剰になる可能性もあります。カリフォルニアは逆に開発を比較的難しいエリアが多く供給が限定されていますが、カリフォルニアに住みたいという需要は非常に高い。結果賃料が上がりすぎてしまう、不動産の価格が上がりすぎてしまうといった側面が出てきております。アメリカは全般的に人口が増えており、景気も拡大しています。ただ、この先の不動産事業の見通しについては、異なる特性を持ったエリアで、違った動きになる可能性があります。各エリアの特性についてローカルの不動産会社の協力を得ながら、当社として投資する地域、金額をどうバランスを取っていくのかを決めていくのが重要だと考えております。

アメリカでビジネスをする上で大変なこと

日本の不動産事業とアメリカの事業は特に商業不動産の取引の観点では、日本がアメリカから学んでいる点も多くその点では理解しやすい面が多いです。一方で繰り返しになりますが、市場がダイナミックに変化します。例えばAmazon, Google, Appleといった新しい業態の巨大な企業が続々と登場し、それらの企業をサポートあるいは招致するために州が政策的に制度を変更していく、あるいは巨大な開発が進むことで市場が変化するなどが頻繁にかつ想像以上に速いスピードで進んでいきます。あるいは不動産取引市場が大きいためプレーヤーの数も多く、競争が激しく、取引のスピード感が日本よりも相当に早いと感じます。取引を円滑に進めるために専門家が多数関わりますが、分野ごとに細分化されており、これらの人々をコントロールしていくことが非常に重要で、時間管理の難しさも感じます。このような現地で日々起きている変化が最終意思決定者である日本のメンバーにとっては肌で感じられない分、理解をすることが難しい部分もあるため双方が苦労している部分です。日本の常識でビジネスを進めることはできませんので現地と日本側のスタッフが相互の協力し合いながら米国特有の商慣習を理解し事業を進めていこうとしています。
これからアメリカに日本から進出してくる方には、当たり前のことではありますが郷に入れば郷に従え。というメッセージを伝えたいですね。

今後の展望

日本は、機関投資家の投資の対象となる物件が限られているが、アメリカはマーケットがはるかに大きく、売買の動きも激しいため、日本よりもチャンスがあると考えています。
将来的にはオフィスやその他の不動産への投資を進めたいと思っていますがしばらくは需要がわかりやすいレジデンスを中心に、アメリカのマーケットの理解を深めていきたいです。
不動産業界は、マーケット・景気に左右されるため、短期での成果だけを求めるわけにはいきません。腰を据え、長い目で見て今後もビジネスを進めていきたいと思っています。

Tokyu Land US corporation

■ホームページ:https://www.tokyu-land.co.jp/english/global/america/
■住所:12100 Wilshire Blvd., Suite1650, Los Angeles, CA 90025

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