労働局、LCAの取り扱いについて新しい条件を課すと表明

文/デビッド・シンデル(Text by David Sindell)

労働局は、労働条件通知(通称LCA: Labor Condition Application)に関する掲載について、新しい重要な条件を課す新指針を表明しました。

この新指針が表明される前までは、H-1B雇用者は法律上の規定を踏まえ、影響を受ける米国労働者にH-1B労働者を雇用したいという意向を通知することが義務付けられていました。この規定では、影響を受ける米国労働者が雇用者側の特定のH-1Bビザに関する関連書類等を調査することが許可され、H-1Bビザ雇用に関して雇用者側に規則違反があったと判断した場合に、苦情を申し立てる権利がありました。

なお、この要件には、たとえこの従業員がほかの企業に雇われている場合でも、H-1Bビザの従業員が割り当てられている第三者機関の従業員に通知をすることが規定として含まれていました。

しかし、この新指針が導入されることにより、電子通知が容易に利用可能となります。H-1Bビザ労働者の雇用に関して影響を受ける米国労働者がアクセスできることを保証するための、追加の手順が含まれるということです。

• H-1Bビザ労働者の雇用の影響を受けるすべての米国労働者は、雇用場所や職種等に関するLCA通知の内容を認識していること。これには、第三機関の従業員も含まれます。
• H-1Bビザ労働者の雇用の影響を受ける米国労働者が、電子通知に確実にアクセスできること。たとえば、アクセス不可能である、または事実上不明な電子サイトに LCA 通知を掲載しても、新しい指針の必要条件を満たすことにはならないということです。
• H-1Bビザ労働者の雇用の影響を受ける米国労働者は、特定の作業現場に適用される電子通知を検索できること。

H-1B雇用者は法律上、このような新しい規定を守らなければいけないということです。もし違反すれば、重大な罰則が課される可能性があるかもしれないということです。H-1B雇用者は、この新指針の規定に従い、どのように LCA 通知を投稿するか検討するべきでしょう。

この件に関して質問がある場合は、お気軽に弊社までお知らせください。

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デビッド・シンデル (David Sindell)

デビッド・シンデル (David Sindell)

ライタープロフィール

NY州およびNJ州弁護士資格。外国法事務弁護士(外弁)として東京第2弁護士会所属。アメリカ移民法弁護士協会所属。日本語、フランス語に堪能。

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