新型コロナウイルス感染症に関する偽情報やデマ対処キャンペーン「We Can Do This」

情報提供:TDW+Co

感染者の増加を受け、全米のコミュニティではワクチン接種が進められていますが、依然としてワクチン接種率が低い地域があります。ウイルスよりも速く広がるデマや偽情報は、ワクチン接種への消極的な姿勢の一因となっています。

新型コロナウイルスワクチンに関するよくある質問への答えをまとめましたので、ご確認ください。

Q:健康な若者はワクチン接種を受ける必要がありますか?

A:新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化すればするほど、たとえ感染前に他の慢性的な症状が一切なかった場合でも、一旦感染すると、新型コロナウイルスによって長期的な健康上の問題が引き起こされる可能性があることを裏付けるエビデンスが増えていくでしょう。新型コロナウイルス関連の入院や死亡を防ぐことに高い効果があるワクチンを接種することは、生涯にわたり深刻な健康上の問題を引き起こす可能性のある後遺症にかかるリスクよりもはるかに安全だと言えます。FDA(米国食品医薬品局)認可・承認ワクチンは、入院や死亡を防ぐことに高い効果があります。

Q:新型コロナウイルスワクチンは生殖能力に影響しますか?

A:新型コロナウイルスワクチンは生殖能力に影響しません。妊活中の方や今後妊娠・出産を希望されている方に対して、CDC(米国疾病予防管理センター)は新型コロナウイルスワクチンの接種を受けることを推奨しています。新型コロナウイルスワクチンを含め、ワクチンが生殖能力の問題を引き起こすことを示唆するエビデンスは一切ありません。事実、妊娠中さまざまなウイルス感染を予防するため、妊娠・出産を希望されている方には頻繁にワクチンが投与されています。妊娠・出産を希望されている方は、新型コロナウイルスワクチン接種後、避妊の必要はありません。

Q:現在妊娠中または授乳中の人にもワクチンは安全ですか?

A:はい、新型コロナウイルスワクチンは、妊娠中または授乳中の方に対しても推奨されています。副作用に関しては、妊娠中の方も、そうでない方も、同様の報告がなされています。また、ワクチン接種と因果関係のある流産、死産、早産のエビデンスは一切ありません。ただし、妊娠中に新型コロナウイルス感染症に感染すると、有害妊娠転帰のリスクが高まります。妊娠中の方や妊娠が判明したばかりの方は、妊娠していない方に比べ新型コロナウイルス感染症により重症化する可能性が高く、ワクチン接種は重症化から妊婦の方を守ることができます。最近発表された報告では、新型コロナウイルスワクチンmRNAの接種を受けた授乳中の方の母乳中に抗体が認められたことが明らかとなっています。これは乳児を守ることに役立つ可能性があります。

Q:新型コロナウイルスワクチンの接種をあまりにも急ぎすぎている感じがあります。ワクチンが安全であるという確証を得る方法はありますか?

A:新型コロナウイルスワクチンは新しいワクチンですが、人類は1世紀以上にわたってさまざまなワクチンを利用しています。最初に認可された2種類の新型コロナウイルスワクチンには、新たな技術であるmRNA(メッセンジャーRNA)が使用されていますが、この技術でさえ、何十年もの間、試験と研究が重ねられてきました。

研究者は早々に新型コロナウイルスワクチンの研究を開始しました。そして米国国立衛生研究所の研究グループによって、新型コロナウイルス感染症の原因となるコロナウイルスのさまざまな変異種に合わせてカスタマイズできる可能性のあるワクチンが開発されました。これらの研究を活用し、ウイルスが発見されてからわずか1か月後に研究グループは新型コロナウイルスの試験的なワクチンの開発に成功しました。

ワクチンは通常、一段階ずつ段階を踏んで開発されるもので、企業は製造開始の最終認可が下りるまで待つのが普通です。ところが新型コロナウイルス感染症の場合は、感染拡大を防ぐために緊急性が求められました。そこで政府および製薬業界は、試験データの審査と並行しながら、ワクチンを製造するため何百万ドルもの投資を行いました。FDAは新型コロナウイルス感染症の拡大を食い止めるため、3種類のワクチンの使用を認可しました。緊急使用許可により、必須の安全性の確認を省略することなく、正式なFDAの承認プロセスよりも速くワクチンの供給が可能となっています。大規模治験ではワクチンの安全性と有効性が認められており、現実の接種状況を見ても、同様の安全性と有効性が確認されています。

詳細およびワクチン接種に関しては、www.vaccines.govにアクセスしてご確認ください。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る