〔ベトナム〕日系景況感、輸出低迷で最低記録=SMBC

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三井住友銀行(SMBC)のハノイ支店・ホーチミン支店は9日、ベトナムに進出した日系企業の景気動向調査「SMBC短観(ベトナム)」(SMBCベトナムDI=ディフュージョン・インデックス=調査から改称)の2019年夏季の結果を発表した。全体の業況DIは前回(18年冬季)から9ポイント低下の38と過去最低となった。米中貿易摩擦の不透明感が強まり、海外市場向け製造業を中心に落ち込んだ。

DIは、「良い」「さほど良くない」「悪い」の三つの選択肢で業況などを聞き、「良い」との回答の割合から「悪い」を差し引いた指数。数値がプラスになれば楽観的な見方が多いことになる。今回の調査では、SMBCのハノイ支店・ホーチミン支店の取引先計172社(北部・中部=102社、南部=70社)が、6月17日〜7月24日に回答した。

分野別の業況DIは、海外市場向けの製造業が17ポイント低下の32と落ち込み幅が最も大きく、国内向けの製造業(9ポイント低下の29)、非製造業(7ポイント低下の44)も指数が低下した。SMBCは、世界経済の後退を背景として海外市場向けの製造業の落ち込みが目立ったと指摘した。国内市場向けの製造業では、鉄鋼や二輪車関連など一部の業種で悲観的な見方が強まった。地域別では、首都ハノイ周辺など北部・中部が15ポイント低下の32と2桁落ち込んだ一方、ホーチミン市周辺など南部は2ポイント低下の45と落ち込みが緩やかだった。

19年冬季の見通しは、上向いた。全体の業況DIは43ポイント。海外市場向けの製造業は39に、国内市場向けの製造業は30に、非製造業は52となった。

不動産と情報通信が好調

ベトナム進出日系企業の業種別業況

業種別の業況DIでは、5社以上の回答があった10業種のうち、不動産と情報通信業界が強気な見方を示していることが顕著だった。不動産は、7社中7社が「良い」と答え、業況DIが100となった。情報通信が75、卸・小売りが58、海外市場向けの機械・電子機器が47、運輸が46、国内市場向けの輸送用機器が40、国内市場向けの機械・電子機器が20、海外市場向けの金属製品が14、建設と国内市場向けの金属製品がそれぞれ9となった。

6カ月後の見通しは、10業種中7業種が改善または最高の100維持となった。情報通信の業況DIは、75から100に改善する見通しだ。

米中摩擦は48%が「トレードオフ」

米中貿易摩擦のベトナム進出日系企業への影響

ベトナムは、米中貿易摩擦により中国からの生産シフトが進む「受益国」との見方もあるが、今回の調査では影響を「どちらとも言えない」とみる企業の割合が、前回の39%から48%に増えた。一方、「好影響を受ける」が16%から9%に、「悪影響を受ける」が11%から10%にそれぞれ低下。追い風よりも向かい風との見方が優勢となった。

中国からの生産移転は、「ベトナム経済に好影響となる一方で、労働市場が逼迫、賃金の上昇スピードが加速し、企業には悪影響となる」(輸送用機器)。特に労働集約型産業の業況が厳しくなるという。国際的なサプライチェーンの複雑化も、慎重な見方が多い理由のひとつで、「影響が国内消費にどのように出るか予想できない」(運輸)とのコメントもある。「悪影響を受ける」と回答した企業からは、「中国への供給がストップする」(繊維)、「中国で生産している最終製品が米国の追加関税の対象になる可能性がある」(機械・電子機器)、「中国国内の鉄鋼製品の需要が落ち込み、余剰が(国内)市場に流入、市況悪化の要因となり得る」(業種不明)などとの声が上がった。

SMBCは、ベトナムで操業する日系企業の業況DIは下落傾向にあるものの、日本銀行の「企業短期経済観測調査(短観)」のDI値を上回っていると指摘。今年6月の日銀短観のDIは10。ベトナムの日系企業の業況は、日本と比べて良いとみている。

情報提供:株式会社NNA

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