条件付き永住権の取得
- 2018年6月2日
- 2018年6月号掲載
今回のコラムでは“条件付き”の永住権についてお話しします。米国市民権保持者との結婚によりグリーンカードを申請する場合、まずは“条件付き”の永住権が付与されます。移民局では永住権を取得する目的で偽装結婚する外国人を取り締まるため、1986 年に移民法の改正案を制定しました。 それにより、米国市民との結婚によるグリーンカード申請においては、条件付き永住権の有効期限日、つまり2年間の有効期限がグリーンカードに記載されます。よって、永住権のためだけに結婚したのではないという証明が、永住権を保持するための条件となります。
条件付き永住権の条件を取り除く証明に使われるものとして、次のものが挙げられます。2人の間に生まれた子どもの出生証明書、共同名義のリース契約書やモーゲージの契約書、共同名義の銀行口座、納税申告書、保険の契約書、車の名義、共同名義の光熱費支払い明細のほか、共通の住所宛てで郵便物を受け取っているという証明、写真、宣誓供述書などです。
条件を取り除くための申請は、条件付きのグリーンカード有効期限日より前の90 日間に米国人配偶者と共同で申請します。もし、期間内に申請しそびれた場合、あなたのステータスは自動的になくなり、あなたに国外追放の処分が下される可能性があります。ただし、申請できなかったことへの正当な理由があり、それを書面で証明できれば、申請を受理してくれることもあります。
条件付き永住権の有効期限前までに、あなたがその米国国籍の配偶者と離婚してしまった場合、もしくは配偶者に暴力をふるわれたり、虐待されたりしている場合、配偶者なしで申請することができます。その場合、条件付き永住権を受け取ってから、有効期限が切れるまでの間でしたら、いつでも申請することが可能です。ただし条件として、あなたが米国から追放されることにより極度の苦難がもたらされることを証明する必要があります。さらに、誠意をもって結婚(永住権を取得することが目的ではなく)したが離婚に至ってしまった、もしくは配偶者より虐待を受けたことを証明しなければなりません。
移民局に申請をすると、その後移民局より郵送されるレシートにより、グリーンカードの有効期限は自動的に1年間延長されます。もし1年経った後も手続き中だった場合、最寄りの移民局に延長申請をすることができます。現在は、 審査に時間がかかっているため、通常のケースですと1年以上待つことになります。
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