Stand Up!立って仕事をしてみよう

「デスクワークは座ってするもの」という固定概念が、近年だんだん変わってきているそうです。私の職場でも、机の高さを上下に調整できるような設定にして、立って仕事をする社員をよく見かけるようになりました。

MicrosoftやGoogleなどでは、もう何年も前からスタンディングワークスタイルという形式を取り入れているそうです。皆さんの職場ではどうでしょう?

立って仕事をすると疲れやすくなるのでは?と思う方も多いかと思いますが、実はその逆だそうです。何時間も座ったままでいると血流が悪くなり、生産性が低下してしまうだけでなく、ひいては糖尿病や高血圧などの病気の原因にもなってしまうとのこと。怖いですね! 私もそれを聞いてからは、なるべくデスクワークの合間に立つなどして、座りすぎにならないように心がけています。

自分の健康状態や運動パターンをモニターしてくれる腕時計など、最近はお手頃価格でたくさん出ていますので、そういったスマートデバイスを使うのもいいですね。ずっと座って仕事をしていると、腕時計が「そろそろ立つ時間ですよ」とアラームを流してくれるので、よし、じゃあちょっと立ってストレッチでもするかなとなるわけです。こうやって、意識的に座りすぎないようにしたいですね。

今まで私は、健康面からなるべく座りすぎないようにしようと思っていたのですが、先日、別の視点でなるほどと思うことがありました。今月はそちらを紹介したいと思います。

私の職場はこの20年間で一度もオフィスの内装が変わっておらず、少々時代遅れ(?)なスタイル。今年やっと会社が一念発起し、「オフィスデザイン・アップグレードプロジェクト」なるものが始まりました。私もそのプロジェクトメンバーに任命され、ああでもないこうでもないとメンバーと日々ディスカッション。先日その一環として、オフィスデザインのショールームをメンバー全員で訪問することになりました。そこは最新トレンドのオシャレなオフィスデザインの宝庫。こんな事務所で働いてみたーい!とみんな大興奮。最新の設備やデザインがちりばめられた会議室や休憩室の設定に、みんな目が釘付けになりました。

さまざまなデザインを見ていくうちに、心なしかデスクや椅子の位置設定が高めなことに気づきました。ショールームの方に質問すると、やはり今のトレンドは立って仕事をするスタイルが主流なため、すべてが少し高めに設定されているとのこと。それだけでなく、会議室の真ん中にある大きな机でさえも、結構な高さのものがありました。これじゃバーカウンターじゃないかと思ってしまうくらいの高さです。

さすがにこれはどうなの?と思って質問すると、意外なことに「会議室こそ、高めの設定がオススメ」との回答が返ってきました。会議室の机を高めに設定し、参加者が立って協議するスタイルにすると、座る形式の会議よりも議論がアクティブになるそうです。また、参加者は長時間立ち続けていたくないので、なるべくさっさとミーティングを終わらせたいという心理になり、会議の結論づけが早まる傾向にあるとのこと。延々と長引くミーティングを防止するためにも、立つスタイルの会議室は非常に有効だそうです。心理的なものかもしれませんが、なるほどと思いました。

また、立つスタイルで議論やプレゼンをすると、自信に満ちあふれたような姿勢に見られ、座るスタイルよりも交渉成功率が上がるそうです。ある会社がプロジェクトコンペ用のプレゼンをする際に、立ちスタイルの会議室からTV会議でクライアントにビジネス案を提案したところ、「何社ものプレゼンをTV会議で見てきたが、御社のプレゼンが一番生き生きして自信に満ちていたので、御社に決めました」と言われ、コンペを勝ち取ったそうです。

立って仕事をするって、とても簡単なのにたくさんのメリットがあるんですね。あなたも、明日はお仕事の合間にちょっと立ってみませんか。健康面だけでなく、仕事に対する姿勢も変わってくるかもしれません。

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北村祐子 (Yuko Kitamura)

北村祐子 (Yuko Kitamura)

ライタープロフィール

在米23年。津田塾大学を卒業後に渡米し、ルイジアナ大学でMBAを取得後、テキサス州ダラスにある現在の会社で勤務すること20年目。ディレクターとして半導体関係の部品サプライチェーン業務に関わるかたわら、アメリカで働く日本人女性を応援しようと日々模索中。モットーは、「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」。

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