【ニューヨーク不動産最前線】
2020年、レンタルマーケットが活発化

ニューヨークのレンタルマーケットがとても活発です。通常、ホリデーシーズンの始まりから冬が終わるまで(11月〜翌2月)は閑散期であまり動きがないのですが、今シーズンは今までにないくらいの早いペースでどんどんアパートがレントされていっています。

この状況はマンハッタン、ブルックリン、クイーンズ(ロングアイランド・シティ)全体で起こっていて、ロングアイランド・シティのあるレンタルビルの担当は、週末になると見学者が殺到して大変だそうです。同じ部屋に同時に20組も来たこともあって、収拾がつかなくなったそうです。ここまでくると異常です。

私のお客様も実際にアパート見学をしている片っ端から物件がなくなっていき、見たその場で申し込みを入れないと物件を確保できないという状況です。そもそもなぜこんな(通常なら閑散期のはずの今の季節にまで)次々と物件が借りられていくのでしょうか。

理由はいろいろといわれていますが、まずは賃貸希望者が増えたこと。実はセールのマーケットは2年ほど前から落ち込んでいます。(ロケーション良し、クオリティ良し、値段良しといった)それまでならすぐに売れていたような優良物件でもなかなか買い手がつかず、1年以上売れ残っている部屋もあります。

マーケットの動きが鈍り始めると、バイヤーはもう少し待って底値で買いたいという心理になります。一方、セラーは若干は値段を下げますが、思いきったバーゲンはやらないために、バイヤー側は今は買うのをやめてレンタルしながら待とうというトレンドになっています。

第二の理由は、レンタルビルのオーナーがレントの実質割引を始めたこと。実際のレントは下げずに1カ月ないし2カ月間をフリーレントにしたり、また1年間ジム等のアメニティ使用料を無料にしたりと実質的には割引を提供するビルが増えました。さらに、これらはレンタルビルなので、テナントが直接ビルに行って物件探しをすればブローカー・フィーも発生せず、借り手としてはとても大きなコストセーブになります(コンドミニアムの場合は直接オーナーと接触できないのと、コンドミニアムボードが存在するため、物件申込金・ブローカーフィー等が発生します)。

さらには、レンタルビル自体が魅力的になってきたこと。新しい建物には室内に洗濯・乾燥機が標準で付いています。アメニティも充実しており、従来のジム、プール、サウナ、キッズルーム等に加えてシアタールーム、図書室、ラウンジ(複数)、屋上テラス、バーベキューグリル、ゲームルーム、ゴルフ練習ルーム等あらゆるものが付いています。スカッシュコートやフルサイズのバスケットボールコートまで付いているのも珍しくありません。

インターネットで検索すればビルの情報がすぐに入手できて、借りる時の手間もかからないとなれば、高額で物件を買うよりはとりあえずレンタルで過ごして贅沢にアメニティをエンジョイしようという気持ちになるのは分かります。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japan(現)に入社。東京で外資系企業のオフィス移転担当ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務に。1999年より住友不動産販売NYで住宅ブローカーとして活躍。趣味は旅行とトレッキング。

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