ソーシャル・ディスタンシングに負けない!

あっという間にもう5月。私の住むテキサス州ダラスでは、すでに気温が90℉(32℃)を超える日もちらほら出て来はじめました。皆さんがお住まいの地域はいかがでしょうか。そんな5月に入った今でも、相変わらず新型コロナウイルス(Covid-19)に関する暗いニュースが毎日入ってきますね。まさかこんな長期戦になるとは……。まだまだ終着点が見えないですが、日々健康第一・安全第一で頑張っていきましょう!

この新型コロナウイルスの影響で、ロックダウンやオーバーシュートなど、今まであまり耳にしたことのないような用語が使われるようになりました。その一つが、ソーシャル・ディスタンシング(Social Distancing)です。これは公衆衛生戦略を表す用語で、「疾病の感染拡大を防ぐため、意図的に人と人との物理的距離を保つこと」。今やスーパーでも公園でも、あちらこちらで「人と人の間を6フィートあけましょう」といったポスターが見受けられます。基本的に皆ルールを守り、きちんと距離をあけながら社会生活をしているようです。

アジア圏と違ってアメリカではマスクをする習慣がないため、アメリカ人がマスクをつけて外出する日なんて永遠に来ないだろうと思っていたのですが、今ではマスクをしていない人を探すのが困難なくらい。また、外出禁止令に伴って始まった在宅勤務も、もう1カ月以上続けている人がほとんどです。新型コロナウイルスの影響で、日々の生活スタイルも大きく変わってきているようですね。

感染拡大防止のため、確かに物理的には人と人との間の距離をあけておかなくてはなりませんが、こんな今だからこそ、精神的・社会的な心の繋がりを持ち、お互いを支えあっていきたいものです。私は現在DJCW (Dallas Japanese Career Women) という、ダラスで働く日本人女性を応援する団体を共同運営しているのですが、先月その会のイベントとして「働く女性たちを応援し心のネットワークを繋げよう」という趣旨のバーチャル・ハッピーアワーを実施しました。簡単に言うと、TV会議ツールを使って家から出席する集まりです。

バーチャルな環境なため、ダラスだけでなくニューヨークや東京からも出席者が集まり、とてもステキな会となりました。今ニューヨークでは皆どんな感じで働いているのか、東京ではどんな生活をしているのかなど、実際にそこに住んで働いている人たちから生の声を聞くことができるので、参加者は皆興味津々。ただの女子会じゃないの?と言ってしまえばそれまでですが、在宅が続いて鬱々としている昨今、こんな形でも人と楽しく話せるのはいいものです。

情報シェアができるだけでなく、ネット上の会話を通して「一人じゃない、皆頑張っているんだ」と思えるのは大事ですよね。ノーメイクでも部屋着でも気軽に参加できますし、酔っ払っても飲酒運転の心配ゼロ! こんな形の新しい集まり方、これから流行っていくかも?

ソーシャル・ディスタンシングで簡単に会えない時期だからこそ、いつもとは違う形で皆を応援しようと動いている団体も増えてきました。私がいつも通っているスポーツジムは現在休業中なのですが、無料でヨガやピラティスなどのビデオレッスンをネットで公開しています。通常なら有料となる1時間のレッスンですが、コロナに負けず頑張ろうということで、無料公開しているとのこと。ありがたい心づかいですね。運動不足になりがちですが、おかげさまで助かっています。

また、ダラスのマクドナルドや一部のローカルレストランなどでは、医療関係者をサポートしようということで、平日は無料ランチを提供しているようです。病院や薬局などで働いている方は社員証を見せれば無料になるとのこと。そういった心づかいも嬉しいですね。

トイレットペーパーの買い占めだとか、マスクの便乗値上げなどの悲しいニュースも聞きます。一方で、こんな時期だからこそお互いを助け合っていこうと頑張っている人たちもいます。いつもの日常が日常でなくなっている今だからこそ、人の温かさや心の繋がりを大切にしていきたいですね。

DJCW(Dallas Japanese Career Women)のホームページはこちらです。興味のある方はご参照下さい。
https://www.djcw.org/

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

北村祐子 (Yuko Kitamura)

北村祐子 (Yuko Kitamura)

ライタープロフィール

在米23年。津田塾大学を卒業後に渡米し、ルイジアナ大学でMBAを取得後、テキサス州ダラスにある現在の会社で勤務すること20年目。ディレクターとして半導体関係の部品サプライチェーン業務に関わるかたわら、アメリカで働く日本人女性を応援しようと日々模索中。モットーは、「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」。

この著者への感想・コメントはこちらから

Name / お名前*

Email*

Comment / 本文

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 「石炭紀のガラパゴス」として知られ、石炭紀後期のペンシルバニア紀の地層が世界でもっとも広範囲に広が...
  2. ジャパニーズウイスキー 人気はどこから始まった? ウイスキー好きならJapanese...
  3. 日本からアメリカへと事業を拡大したMorinaga Amerca,Inc.のCEOを務める河辺輝宏...
  4. 2024年10月4日

    大谷翔平選手の挑戦
    メジャーリーグ、野球ボール 8月23日、ロサンゼルスのドジャース球場は熱狂に包まれた。5万人...
  5. カナダのノバスコシア州に位置する「ジョギンズの化石崖群」には、約3 億5,000 万年前...
  6. 世界のゼロ・ウェイスト 私たち人類が一つしかないこの地球で安定して暮らし続けていくた...
  7. 2024年8月12日

    異文化同居
    Pepper ニューヨーク同様に、ここロサンゼルスも移民が人口の高い割合を占めているだろうと...
  8. 2024年6月14日、ニナが通うUCの卒業式が開催された。ニナは高校の頃の友人数名との旅行...
ページ上部へ戻る