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COVID-19で老後計画の軌道修正が必要? 日本で老後も働く場合のシルバー人材センターの活用
- 2020年9月14日
人生100年時代といわれるようになりました。長生きできるということは喜ばしい反面、「長生きリスク」も生じます。長生きリスクとは老後の生活資金にかかわる経済上のリスクのことで、長生きすればするほど日常の生活費のほか、医療や介護にかかる費用が発生し、定年時に蓄えた老後の資産を使い果たし経済破綻してしまうことを意味します。
1.就労所得で支出を抑える
一般的に定年で仕事を辞めると安定した就労所得がなくなります。その後、公的な老齢・退職年金(米国ではSocial Security)を受給しますが、年金額は人によって異なります。年金と生活費の収支バランスが赤字の場合は貯蓄を切り崩していかなければなりません。
引退後、資産が十分ある、または資産運用や老後も就労して十分な所得が得られるという人であれば、老後の資金についての心配はありません。しかし、そうでない人は老後も一定の収入を確保する必要があります。
そのためには老後も働いて収入を得るのがもっとも現実的な方法です。ただし長年現役で働いてようやく引退したのですから、再びフルタイムで一生懸命に働く必要はありません。必要な額は人により異なりますが、自分の資産を考慮し一定額の収入を継続することで、資産の切り崩し額を抑えることが重要です。
2.日本帰国後に就労先を見つけるには?
もし今後日本へ帰国して老後を過ごす場合、仕事を見つけるにはどのような方法があるでしょうか? 米国で培った専門的スキルが日本でも生かせる、または知り合いのコネで仕事を紹介してもらえれば良いですが、そうでなければ自分で仕事を探さなければなりません。方法としてはハローワーク(旧公共職業安定所)や民間の高齢者専用人材紹介会社になり、主に専門性が高く比較的待遇面もよい職種となります(現状高齢者の求人数は限られています)。
一方、前述のように一定額の収入の継続が目的であれば、シルバー人材センターの活用が有効です。
3.シルバー人材センターとは(利用方法および紹介される仕事)
日本では65歳以降も働く人が増えていて、その人数は約821万人、全労働者人口の12.2%に達しています※1。シルバー人材センターは、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得るとともに、地域社会の活性化に貢献することを目的として、各市町村に設置された公益法人です。全国に約1300団体あり、会員数(登録者数)は約71万人で、上記65歳以上の高齢者人口の8~9%になります※2。
仕事を紹介してもらうには入会手続きを行います。この際、年会費を支払います。金額は地域によって異なりますが、年間1000~2000円程度と少額です。入会に際しては研修への参加が必要となる場合があります。紹介される仕事は経験を問わず、また専門的なスキルも不要な仕事が中心となるので、高齢の初心者でも無理なく働けます。以下は紹介例です。
●屋外作業
公園、団地マンション、ごみ置き場等の清掃
除草、草刈り、植木の水やり、駐輪場の管理、倉庫管理
●屋内作業
清掃作業(公共施設、学校、ビル、マンション、一般家庭、など)
事務作業(袋貼り、ラベル貼り、糊付け作業、箱折り、チラシ封入など)
報酬額については時給1000円前後となります。週2〜3日働いて月収3~4万円程度の収入という利用者が多いようです。仕事によっては毎日働くもの、パソコン教室などの経験が必要なものもあります。
今後ますます働く高齢者が増えていく中で、老後日本へ帰国する場合、ご自身のライフスタイルに合わせ、シルバ―人材センターの利用も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?
※1:平成30年版高齢社会白書より
※2:公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会の公表データ参照
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