女性が働き続けたいと思うために

あっという間にもう11月ですね。月日の経つのは早いものだといつも思うのですが、特に今年はコロナの影響もあり、いつにも増して早く1年が過ぎ去っているような気がします。私の住むテキサス州ダラスでは、引き続きテレワークを進めている会社が大半のようで、私も3月からずっとテレワークです。在宅での仕事は不便なことも多いですが、このコロナ禍で何かと先行きが不透明な昨今、仕事があるだけでもありがたいですよね。頑張っていきましょう!

仕事といえば、突然ですが、あなたはなぜ仕事を続けたいと思いますか? 家計のため? 自己実現のため? やりがい? 十人十色で、さまざまな理由があるかと思います。先日私は、下記の4点について「アメリカで働く日本人女性」と「日本で働く日本人女性」の2グループに質問をしてみました。

① あなたは現在の職場で働き続けたいと思いますか?
② 現在の職場で働き続けたい、もしくは働き続けたくないと思う理由は何ですか?
③ あなたは現在の職場で将来昇進したいと思いますか?
④ 現在の職場で昇進したい、もしくはしたくないと思う理由は何ですか?

あくまで今回調べることができた範囲内なので限定的ではありますが、①と②に関しては、日本とアメリカで働く日本人女性たちから、それぞれ似たような回答が来ました。経済的に自立したいから、家計を支えたいから、やりがいを求めているから、新しいスキルを習得したいから、などです。一方で興味深いのが、③と④の回答です。アメリカで働く日本人女性からは「昇進したい」「昇進のチャンスがないと分かったら、転職を検討する」といった回答が多かったのに対して、日本で働く日本人女性からは「昇進したくない」「勤務年数が増えると昇進をほのめかされるのが面倒」などでした。同じ日本人女性なのに、勤務する国が違うだけでなぜここまで違った回答が来たのでしょう? 年齢・職歴・学歴・家庭環境など似たようなグループをあえて選んで質問したのに。

さらに深掘りして聞いてみると、キーワードになるのが「ワークライフバランス」のようです。日本で働く日本人女性からは、「残業や長時間勤務にコミットできないので昇進したくない」「出張や転勤に対応できないので昇進したくない」といった声が多く聞かれました。一方、アメリカで働く日本人女性からは、逆に「ワークライフバランスを取るためにも昇進したい。昇進すれば、もっと自分のやりたいように時間が使えるから」といった声がありました。日本では「昇進=更なる長時間勤務」という形が出来上がっているのに対し、アメリカでは必ずしもそうではないのかもしれません。

女性が家庭で負担する家事・育児の量も影響しているようです。平成19年の男女共同参画白書によると、男性が家事・育児時間に占める割合がアメリカでは37%なのに対し、日本では12.5%とのこと。これでは日本で働く日本人女性は、仕事をセーブするしかありませんよね。日本の男性、ガンバレ! でも最近ではイクメンなどといった言葉もあるように、男性の家事・育児参加率も少しずつ上がっているようなので、嬉しい傾向なのかな?

会社の風土も重要です。私の職場では、私の上司(男性)が「今日は子供のピアノがあるので、夜の電話会議には出られません」といって定時で帰ることもしばしばあります。さて日本で同じことを言ったらどうなるか……。一昔前だったら、平成元年の流行語大賞を受賞した栄養ドリンク「リゲイン」のキャッチコピーのような「24時間戦えますか、ビジネスマーン」といった姿勢が当たり前でしたが、2020年の今、同じアプローチは通用しないのかもしれません。

男女関わらず、一人一人が自分らしく、ワークライフバランスをうまく取りながら働ける職場。そしてそれを支える家庭。そんな環境が少しずつ備わってくれば、いつか日本で働く日本人女性からも「昇進に挑戦してみたい」といった声が生まれてくるのでしょうか。働く日本人女性の一人として、近いうちにそんな日が来てくれることを楽しみにしています。

参考: 男女共同参画白書(平成19年)
http://210.149.141.45/about_danjo/whitepaper/h19/gaiyou/html/zuhyo/G_13.html

Universal Mobile

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

北村祐子 (Yuko Kitamura)

北村祐子 (Yuko Kitamura)

ライタープロフィール

在米22年。津田塾大学を卒業後に渡米し、ルイジアナ大学でMBAを取得後、テキサス州ダラスにある現在の会社で勤務すること19年目。ディレクターとして半導体関係の部品サプライチェーン業務に関わるかたわら、アメリカで働く日本人女性を応援しようと日々模索中。モットーは、「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」。

この著者への感想・コメントはこちらから

Name / お名前*

Email*

Comment / 本文

この著者の最新の記事

関連記事

資格の学校TAC
アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用
Universal Mobile

注目の記事

  1. 2020年9月末、ニナは大学に入学する。彼女が進学先として選んだのはカリフォルニア大学(UC...
  2. 2020年10月2日

    豊かな日々を生きる
    「Live rich life」。ピート・ハミルの言葉である。2020年8月5日、彼は85歳...
  3. ケンタッキー州の西部に位置するマンモス・ケーブ国立公園は、複雑に絡み合った小道と大小さまざま...
  4. あなたの食生活は大丈夫? 「体が資本」という言葉がある通り、日々の食事は体の土台を作るための大...
  5. ステンレス製のお皿にライスが隠れるようにルーを全体にかけ、その上にトンカツ、そして付け合わせにはキャ...
  6. この原稿を書いているのは2020年6月12日。昨日、ニナの義務教育が終了した。オンラインでの...
  7. アラスカ州とカナダの国境地帯に広がるのは、世界最大規模の自然保護区。北米大陸最高峰の山々に世...
  8. コロナ禍の3カ月の自粛生活は、私たちそれぞれに、自分の忙しい生活を今一度振り返る良い機会とな...
ページ上部へ戻る