- Home
- ライフ
- 日本の年金・永住帰国・親の終活
- 米市民権取得者が知っておきたい、日本帰国時に必要となる在留資格① ~制度概要〜
米市民権取得者が知っておきたい、日本帰国時に必要となる在留資格① ~制度概要〜
- 2020年11月6日
ここ数年当社への問い合わせとして、老後を日本で暮らす場合の帰国手続きに関するものが増えています。長年居住していた米国から外国である日本へ移住(転居)するわけですから、いろいろな手続きが必要となります。特にその中でも一般の方には分かりにくいものの一つに、在留資格申請手続きがあげられます。今回はこの在留資格について紹介しますが、内容が多いため2回に分けて紹介します。1回目は在留資格の種類についてです。
1.在留資格とは
在留資格は、外国人(日本国籍以外のもの※)が日本で中長期(3カ月以上)滞在する場合に必要となる資格になります。よく誤解されるものとしてビザ(査証)がありますが、在留資格とビザは異なるものです。ビザは日本への入国を在外公館(海外の日本領事館)が認めるもので、外務省が主管となります。一方、在留資格は来日した外国人が3カ月以上滞在する場合、申請した資格(目的)での滞在として問題ないか審査するもので、法務省が主管となります。したがってビザだけでは日本に入国できても3カ月以上は滞在できません。また在留資格には「旅行(観光)」や「商用(仕事で短期出張)」を目的としたものはありませんので、これらの目的で3か月以上日本に滞在することはできません。
2.在留資格の種類
資格(目的)と書きましたが、日本に滞在する外国人の活動内容によって種類分けされており、30近い資格があります。
A)就労関係の在留資格
技術、国際業務、教授、投資・経営、医療、研究、特定技能、技能実習 など
B)留就学・文化活動・研修関係
文化活動、研修、留学、特定活動、家族滞在 など
C)家族構成など身分に基づき在留するもの
日本人の配偶者等、永住者の配偶者、定住者 など
在留資格の種類一覧については下記法務省のWebページで確認できます。
http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/kanri/qaq5.pdf
3.老後(引退後)に日本へ帰国する場合の在留資格の種類
元日本人※で外国籍を取得した人が帰国する場合は、上記Cの種類にある「日本人の配偶者等」の在留資格を申請することができます。ここでいう「配偶者等」とは、配偶者(夫や妻)だけでなく子も含まれます。外国籍を取得した日本人は日本人の子(実子)ですから、この種類に該当します。親がすでに亡くなっていても、日本人の子としての身分に変わりはないので申請可能です。以下は米国から日本へ独身または夫婦で帰国する際に申請する在留資格を、ケース別にまとめたものです。
ケース1> 独身:元日本人で米国籍
「日本人の配偶者等(日本人の子として)」で申請
ケース2> 夫婦:夫(または妻)が日本国籍で、妻(または夫)は元日本人で米国籍
妻は「日本人の配偶者等(日本人の子として)」で申請
ケース3> 夫婦:二人とも元日本人で米国籍
二人とも「日本人の配偶者等(日本人の子として)」で申請
ケース4> 夫婦:夫(または妻)が日本国籍で、妻(または夫)は(生来の)外国籍
妻は「日本人の配偶者等(日本人の妻として)」で申請。なお、このケースでは一定期間を超える婚姻の事実が必要となります。また申請時にはそれを証明するもの(二人で写っている写真など)も必要です。
ケース5> 夫婦:夫(または妻)が元日本人で外国籍を取得、妻(または夫)は(生来の)外国籍
夫は「日本人の配偶者等(日本人の子として)」で申請。一方妻は「定住者」で申請。ケース4同様一定期間を超える婚姻の事実が必要となります。
いかがでしょうか? 次回は申請手続きや審査内容について紹介します。
(※)米国永住権(グリーンカード)を持つ日本人は在留資格を必要としません。外国籍を取得した場合でも、日本国籍を放棄していない場合は申請できません。米国籍を取得したものの日本国籍を残したままで今後の対応が分からない場合は、当社までご相談ください。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします