ボランティア&チャリティー精神のススメ

明けましておめでとうございます。コロナ騒動ですったもんだしているうちに2020年があっという間に過ぎ、もう2021年になりました。今年は一体どんな年になるのでしょう。ワクチンの広がりとともに、少しずつ今までの日常を取り戻せるといいですね。

皆さんの今年の抱負は何ですか? 私もいくつかありますが、そのうちの一つが「ボランティアやチャリティ活動に積極的に取り組もう」です。アメリカでは、ちょっと意識しながら探してみると、気軽にボランティアやチャリティに参加できる機会がそこかしこにあります。ガールスカウトのクッキーを買ってみたり、サルベーション・アーミーの募金箱に寄付してみたり。クリスマスの時期には、エンジェルツリー・プログラムという、恵まれないこどもたちへクリスマスプレゼントを提供する機会などもあります。お金や物を提供するのはちょっと……という人も大丈夫。近所の教会や学校などでボランティア活動に参加する人を常に募集しているので、ふと思い立った時に気軽に参加できます。特別にどこかの団体などに所属しなくてもいいのが嬉しいですよね。私もなるべく折を見て参加するようにしています。

実は、今でこそ偉そうに「もっと積極的にボランティアやチャリティに参加してみようかな」などと言っていますが、私が以前日本に住んでいた頃は(もう20年以上も前の話になりますが)、あまり意識したことがありませんでした。駅で募金をお願いする人たちを見かけても素通りしていたし……。興味がないといえば語弊がありますが、わざわざ立ち止まってお財布からお金を出して募金するという行為が気恥ずかしいというか、イケてないというか。当時はまだ若かったからなのかもしれません。

こんな思いを持っていたのは私だけかと思っていましたが、先日見たデータで、このモヤモヤが晴れた気がしました。内閣府が2018年に実施した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」によると、日本の13~29歳の若者のボランティア意欲は、調査対象国7カ国の中で最低だったそうです。自分のことを棚に上げて言うのも何ですが、なかなかショッキング。もし今、時を戻して昔の自分と話せるのなら、「おーい自分、もっと積極的にボランティアしようよ」と声を大にして言いたい!

ボランティアって、最初の一歩を踏み出すのはちょっと勇気がいるかもしれませんが、一度やると病みつき(?)になる気がします。満面の笑顔でありがとう!と言われるのは何物にも代えがたいですし、なんだかとてもすごいことをした気分になれて嬉しくなりますよね。このハッピーな感覚、実はさまざまな研究でも実証されているようです。アメリカの科学誌サイエンスの論文によると「ボーナスの3分の1を社会のために使った人は、まったく使わなかった人よりも、幸せ指数が20%高かった」 そうです。またハーバード大学の研究によると、「プレゼントを買ったり、慈善事業に寄付した人は、1日の終わりに幸福度が大きく高まり、自分のためにお金を使った人の幸福度は変わらなかった」という結果が出ています。どうやら、他人のためにお金を使うと幸福度が高まるというのは、気のせいではないようです。

チャリティやボランティアなどは、それを受け取る側にとっても嬉しいものです。私はDJCW(Dallas Japanese Career Women)という、ダラスで働く日本人女性を応援するNPO法人を運営しているのですが、この会の活動は皆さんの募金で成り立っています(www.djcw.org)。募金をいただくと本当に心からありがたい気持ちになりますし、よしもっと頑張ろう!と励みにもなります。お金でなくても、ちょっとボランティアの手を貸していただけるだけでも、ものすごく助かります。皆さんが思っている以上に、チャリティやボランティアのパワーは大きいのです。

ボランティアって、提供する側もされる側もハッピーになれる、Win-Winでとても素晴らしいものだと思います。今度もし募金箱を抱えた方を街で見かけたら、ちょっと立ち止まって、募金をしてみませんか。きっとあなたの心に、ふわっと優しい気持ちが訪れますよ。

参考:
■日本人は、実は「助け合い」が嫌いだった…国際比較で見る驚きの事実
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67142?page=2
■寄付ナビ
https://kifunavi.jp/donation/happiness/

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

北村祐子 (Yuko Kitamura)

北村祐子 (Yuko Kitamura)

ライタープロフィール

在米23年。津田塾大学を卒業後に渡米し、ルイジアナ大学でMBAを取得後、テキサス州ダラスにある現在の会社で勤務すること20年目。ディレクターとして半導体関係の部品サプライチェーン業務に関わるかたわら、アメリカで働く日本人女性を応援しようと日々模索中。モットーは、「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」。

この著者への感想・コメントはこちらから

Name / お名前*

Email*

Comment / 本文

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2024年10月4日

    大谷翔平選手の挑戦
    メジャーリーグ、野球ボール 8月23日、ロサンゼルスのドジャース球場は熱狂に包まれた。5万人...
  2. カナダのノバスコシア州に位置する「ジョギンズの化石崖群」には、約3 億5,000 万年前...
  3. 世界のゼロ・ウェイスト 私たち人類が一つしかないこの地球で安定して暮らし続けていくた...
  4. 2024年8月12日

    異文化同居
    Pepper ニューヨーク同様に、ここロサンゼルスも移民が人口の高い割合を占めているだろうと...
  5. 2024年6月14日、ニナが通うUCの卒業式が開催された。ニナは高校の頃の友人数名との旅行...
  6. ラブラドール半島のベルアイル海峡沿岸に位置するレッドベイには、16世紀に繁栄したバスク人による捕鯨...
  7. フェムケアの最新事情 Femcare(フェムケア)とは「Feminine」と「Car...
  8. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
ページ上部へ戻る