Howdy Y’all !!!

皆さんもすでにニュースを見てご存知だと思いますが、2月11日(木)早朝にFort Worthで車130台以上が巻き込まれる自動車事故が発生しました。TVニュースの映像でも繰り返し流れていましたが、18 Wheeler(大型トレーラー)がブレーキを踏む様子もなく前の車の列に突っ込んで行くのを見られたと思います。運転手はブレーキを踏んだそうですが、路面が凍っていてまったく止まらず、すごいスピードで中央分離帯に乗り上げていく様子が放送されました。すぐその後を走っていた車も同じように止まっている車の列に突っ込んでいました。この事故では65名以上が負傷し9名が死亡しています。この日はほかにも路面凍結による事故が相次ぎ、Austinでも車26台の多重事故が起こり、5人が病院に搬送されました。

2021年1月はどちらかというと暖冬の雰囲気でした。ところが2月2週目に入り、2月10日(水)以降は気温が一気に下がり寒くなると予報が出ました。週明け2月14日(日)は雪予報100%、2月17日(水)も再度雪予報90%でした。2月12日(金)には寒気に備えて空き家のFaucet Coverを付けたり、家の中の水栓もポタポタと水が出るように凍結防止の準備をして回り、やっと終わったと思ったのもつかの間でした。本当に気温が予想図どおりにどんどん寒くなり、2月15日午前1時にはマイナス16℃に。その後すぐにRotating Power Outage(輪番停電)が開始されました。アメリカ国立気象局Fort Worthの職員が、「セントラルテキサスの皆さん、今まで一度でも自分の町がアラスカよりも寒くなるなんて考えたことある?」 とTweetしています。確かにマイナス16℃で停電はかなり応えましたが、アラスカよりも寒いなんて驚きです。

今回の急激な気温低下は“極渦(きょくうず。Polar Vortex)”と呼ばれる北国上空にできる寒気の渦が直接南下してくることが原因だといわれています。その結果、全米各地の気温が異常に寒くなっています。この寒波は地球温暖化と気候変動により極渦が米国の上空まで南下してきた結果だといわれていて、北国での温暖化は中緯度エリアよりも早く進んでいるそうです。怖いのは、今後もこのような寒波が発生するかもしれないと予想されていることです。

まさかダラスでマイナス16℃を経験するとは思いもしませんでした。ましてやその後の停電で電気調理器のほうは料理もできず、暖炉がなければ最低限の暖を取ることさえもできません。新築物件は電気を使用して暖炉のパイロットランプをスタートさせるので、暖炉下にある非常時のパイロットランプスタート用の電池が入っていないと、いざ暖炉が必要となった時に火が付かなくて大慌てになります。物件の情報交換サイトで暖炉が付かないと何人も書いていました。暖炉下の写真を撮り、電池を入れてくださいと書き込みしたところ、単一電池がなかった方が電池ボックスの中に1ペニーを何枚か重ねて単三電池を入れて使用していました。なるほど緊急時に役に立つアイディアだと感心しました。

お湯が途切れなく使用できるタンクレスウォーターヒーターも電気がなければ使用できません。旧型のウォータータンクはガスだけでもお湯が沸きますので、電気がなくてもお湯は使用できます。新しい物はすべて良く見えますが、非常時に何が役に立つかは分からないものです。

ちなみに私が冒頭で「Howdy Y’all!!!」と書いたのは、テキサン(テキサス地元民)が言う「Hello, Everybody!」もしくは「How do you do? Everybody?」のテキサス訛りです。「Y’ALL Come Back」と最後に言うことも多いのですが、こちらは皆さん、ぜひテキサスに帰って来てくださいねという意味です。

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山田由美 (Yumi Yamada)

山田由美 (Yumi Yamada)

ライタープロフィール

テキサス州ダラスの不動産エージェント。ダラス地区不動産に関する賃貸、売買をはじめ、商業物件、事務所、不動産投資まで幅広くサポート。リフォームや不動産管理も手がけ、ダラスの不動産事情に通じている。

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