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日本のマイナンバー最新情報
- 2021年4月28日
1.マイナンバーとは?
2015年に日本で開始されたマイナンバーは個人に与えられる12桁の番号で、「個人番号」とも呼ばれます。社会保障、税、災害対策など主に行政が行う分野において横断的な番号制を導入することにより、分野間で同じ人の個人情報の特定・確認が確実かつ迅速にできるようになり、行政の効率化、国民の利便性の向上を実現するものです。皆さんよくご存じの米国の社会保障番号と同様のものとなります。
2.対象者は?
マイナンバーが付与されるのは日本に住民票のある人になります。米国在住の日本人(日本国籍)は日本に住民票がないのでマイナンバーを持つことはありませんが、日本に住民票を残したままの人は付与されています。将来日本に帰国(旅行などの短期滞在ではなく移住)することになれば、帰国後住民登録することになりますからその時点でマイナンバーが付与されます。日本人(グリーンカード保有者)だけでなく、米国籍取得者も同様に付与されます。
ところで日本に住民票のない米国在住者はマイナンバーがないので、日本の行政サービス、銀行口座の利用や、日本の年金の受給ができなくなってしまうのですか?といった問い合わせを受けることがありますが、そのようなことはありません。住民票のない海外居住者はもともとマイナンバーがありませんから、今まで通りサービスは利用できるし、年金も受給できます。
3.今後日本へ永住帰国される場合の取得方法
手続きはいたってシンプルです。前述の通り日本に帰国して市町村役場で住民登録すると、自動的にマイナンバーが付与されます。後日、自宅宛に個人番号通知書(後述)が郵送され、そこに氏名、番号が記載されています。2015年以降に日本を出国(転出)し、すでにマイナンバーをお持ちの人は、同じ番号が付与されます。
4.マイナンバーを証明する「個人番号通知書」と「マイナンバーカード」
住所登録すると後日、個人番号通知書が郵送されます。以前は米国のソーシャルセキュリティーカードと似たような紙の「通知カード」が送られていたのですが、2020年5月に個人番号通知書という書面に変わりました。そして次のステップとして希望者(申請者)に対しマイナンバーカードが発行されます。これはプラスチック製のカードで、住所、氏名、生年月日、個人番号記載のほか、顔写真やQRコード、ICチップも内蔵されており、身分証明書として使用や、税金の電子申請、住民票など各種証明書のコンビニエンスストアでの取得といった手続きの効率化が実現できます。
日本政府としては国民全員がこのマイナンバーカードを取得することを目標としていますが、普及率は全国で15.5%(総務省発表 2020年3月1日現在)とあまり進んでいませんでした。理由は、すべての行政手続きに対応しているわけではないこと、金融資産の透明化による納税者への悪影響を懸念する考えがあること、このカード1枚でほぼすべての個人情報が流出されてしまう不安感(実際ICチップにはプライバシー性の高い情報は記録されていません)、などといわれています。その後も昨年5月のCovid-19による緊急事態宣言の際、国民全員へ10万円の特別給付金が支給されましたが、この時にマイナンバーカード保有者の申請手続きが簡素化され早期に支給されるはずだったにもかかわらず、各地方自治体の電子システムとスムーズに連携できず、結局時間のかかる手作業で対応せざるを得なかったというお粗末な出来事も普及が進まない一因になっていました。ところがその後、総務省がカード保有者を対象に、キャッシュレス決済すると利用額の25%、最大5000円分のポイントを還元する「マイナポイント」制度を20年9月にスタートすると発表するなど、国のキャンペーンが功を奏し、2021年4月1日現在で28.3%と急速に伸びています。

個人番号通知書

マイナンバーカード表と裏
5.その他
●前述の通り、個人番号通知書は全員に郵送されますが、マイナンバーカードは申請しないと取得できません。取得方法はパソコン、スマートフォン、町なかにある証明写真ボックスから顔写真データを送るのですが、高齢者など不慣れな人は地元の市町村役場でも対応してくれます。
●帰国後市町村役場で住所登録してから個人番号通知書が郵送されるまで、約1カ月かかります。その間に外国送金するなど、マイナンバーが必要になった時は住民票を取得します。取得時にマイナンバーの記載の有無が選択できます。
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