【ニューヨーク不動産最前線】
新築物件とコンバージョン物件

暑くなったり寒くなったりを繰り返しながらも、ニューヨークも徐々に寒い日が増えて冬が近づいてきた感じがします。毎年、ハロウィーンとそれに続くニューヨークマラソンの辺りから一気に気温が下がります。

さて、今回は新築物件とコンバージョン物件の違いについてご説明したいと思います。マンハッタンではすでにぎっしりとビルが立ち並んでいるので、新たに物件を作るとなるとすでにある物件を壊して新しい建物を建てるというパターンになります。新しく大きなビルを建てるとなると、まとまった規模の用地の取得には何年どころか何十年もかかってしまいます。

そこで、すでにある建物を再利用する形で、コンドミニアムとしてリノベーションしたものがコンバージョンビルです。オリジナルの築年は古いのですが、リノベーションによって見た目は新築同様となり、かつ価格は新築よりも安く売り出すことができます。

ただしデメリットとして、売買時の扱いが新築ビルと同様となり、既存物件を購入する場合に比べて余分に初期費用がかかります。スポンサーと呼ばれるオーナー(もしくはデベロッパー)からの直接購入となり、新築物件同様にTransfer Taxや売主側弁護士の費用等を買主が負担することになるのです(ちなみに既存物件の購入の場合は、これらの費用は売主負担です)。なお、見た目が新築同様になっていたとしても、配管や配電工事、屋上の防水工事等の見えない所もアップデートされているかは見ただけでは分からないので、これらは要注意です。

それなら新築物件を買った方がいいのではと思うのですが、実はコンバージョン物件に人気があるのには理由があります。コンバージョン物件はオフィスビル・ホテル・学校・倉庫・病院等の大型の建物を改装してコンドミニアムにするケースが多いのでが、元の物件がランドマークだったりする場合も多く、建築自体がとても魅力的なのです。今では金銭的もしくは技術的理由でとても再現できないような素敵な外観やデザインのものだったり、歴史的なストーリーや価値があったりするのです。実利面でも、元の建物が倉庫だったりする場合は躯体が頑丈なうえ、床荷重や天井高も普通の住宅物件より優れています。そのうえ新築よりも値段が安いとなると、コンバージョンビルって魅力的ですよね。

最後に、今私が気になっているコンバージョンビルを一つご紹介します。パークアベニューにあるウォルドルフ・アストリアホテルです。アメリカ歴代大統領の定宿で日本の天皇陛下をはじめ各国元首が宿泊に使用してきた超名門ホテルですが、数年前からずっと閉鎖していました。どうなってしまうのかと思っていたら、なんとコンドミニアムになるそうです。

ウォルドルフ・アストリアのヒストリーとコンドミニアム物件概要についてはこちらをご参照ください。

映画『ホームアローン』の舞台にもなった、セントラルパークと5番街の角に建つプラザホテルも2006年にコンドミニアムとしてコンバートされました(一部はまだホテルとして営業中)。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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