フェムケアで暮らしを快適に

ここ数年で大きく注目されるようになったフェムケアやフェムテック。現代社会における女性の暮らしをより豊かにするための最新情報や、家庭で実践できるケア方法を解説する。

フェムケアの最新事情

Femcare(フェムケア)とは「Feminine」と「Care」をかけ合わせた造語で、女性特有の悩みや健康課題をケアするための製品やサービスのこと。悩みや課題は月経やPMS、不妊治療、妊娠・出産、育児、子育て、婦人科系疾患、更年期など多岐にわたる。また、女性向けのセクシャル・ウェルネスに関わることなども含まれる。女性の悩みには個人差があるほか、なかなか人に相談できないようなこともあり、一人で抱え込んでしまう人も多い。そのような状況もあり、当事者である女性自身が正確な知識や情報を得られないという環境が大きな課題とされてきたのだ。

ちなみにFemtech(フェムテック)は「Female」と「Technology」を短くした用語で、女性特有の悩みや健康課題を解決するためのテクノロジーを使った製品やサービスのことを指す。フェムテックは、悩みを抱える女性たちが上手に課題と向き合い、女性の健康を正しく理解し、健やかな暮らしを送ることができるようにサポートする商品やサービスを提供することで、女性のライフスタイルを支援するものだ。

女性の社会進出が進むなか、生理痛やPMSなど女性の悩みに起因する労働力の低下による経済損失も深刻視されている。女性の健康が社会に大きく影響することが分かり、女性のためのサポートを進める企業が近年では大幅に増え、社会の意識は変わりつつあるのだ。フェムテックの市場は2023年時点で509億7000万ドル規模とされているが、2032年までに1770億5000万ドル規模に成長するといわれている。

女性特有の悩み

・PMSで気分の浮き沈みが激しい
・生理周期や排卵日を記録・管理したい
・生理中も快適に過ごす方法を知りたい
・デリケートゾーンの匂いや乾燥が気になる
・妊娠しやすい体をつくりたい
・妊娠期の悩みや不安を誰かに相談したい
・乳がん、子宮頸がんについてもっと知りたい
・更年期の多汗やイライラをどうにかしたい

フェムテックの一例

1. 生理・月経

女性が生涯で経験する生理は400回以上といわれており、アメリカでは45.2%の女性が月経痛による休暇を取得しているという。生理に関する悩みは職場の生産性を低下させるだけでなく、女性自身の体や精神への負担も大きい。そのような生理期間中でもできる限り快適に過ごせるようにとさまざまな開発がなされている。たとえば、生理中の匂いや蒸れ、かぶれを解消するための機能性を備えた給水ショーツやアプリと連動できる月経カップ、少量の電流で月経痛を緩和するデバイス、生理日管理やコンシェルジュ機能がついたアプリなどがある。

2. デリケートゾーン

デリケートゾーンは角質層が薄く、摩擦や刺激に弱い繊細な部分のため、乾燥やかゆみ、蒸れ、匂い、黒ずみなどさまざまな悩みも起こりやすい。そのため専用の商品を使ってケアをすることが推奨されている。デリケートゾーンに関する悩みは女性にとっては深刻であり、ともすると自分の自信を失う原因にもなりかねない。近年では弱酸性の刺激が少ない専用ソープや専用の保湿オイル、保湿ミルク、ジェルクリーム、オイルミスト、ブライトニングクリームなど、女性が悩みと向き合い自信を取り戻せるような専用商品が多様化してきている。

3. 妊娠、産後関連

妊娠、出産は女性にとって一大イベントであり、それに伴う悩みや不安は男性以上のものだろう。近年では体調管理や妊娠中のスケジュール管理、陣痛の間隔を記録できるアプリや、産後の授乳管理や育児生活をサポートしてくれるアプリといった妊娠・出産に特化したサービスを当たり前に利用する世の中になってきており、新しい機能やアプリサービスがどんどん登場している。また、卵子の健康状態を確認できる採血キットや骨盤筋トレーニングのためのデバイス、帝王切開後に自宅でできる回復キット、機能性の高い搾乳ポンプなども開発が進んでいる。

4. セクシャル・ウェルネス

セクシャル・ウェルネスとは、性に対して身体的にも精神的にも健康な状態であること。性に関する健康には「喜び」を感じるセクシャル体験も含まれ、近年ではセルフプレジャーによって女性が快感を得ることや膣トレなどのケアをすることは恥ずかしいこと、隠すべきことではなく、健康上必要なことだと捉えられるようになってきた。女性向けのセルフプレジャーグッズは男性が使うものと異なり、見た目や色、形などがかわいらしいものも多く、見た目だけではセルフプレジャーと分からないのも嬉しいところ。

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