シーメンス(Siemens)とエアバス(Airbus)は、100キロワットから最大10メガワット以上に上る電気エンジンの開発で提携した。
ネットワーク・ワールド誌によると、両社は、電気エンジンと、電気と内燃式のハイブリッド型エンジンを、商業航空機市場とプライベート航空機市場向けに共同開発する。両社はそれに向けて、約200人の社員で構成される共同開発班を編成する計画だ。
開発される新型エンジンのシステムは多岐にわたる。短距離向けから、100人乗りの近距離用飛行機、ヘリコプター、無人航空機、さらには中距離の旅客機までのエンジンが対象となる。
ハイブリッド型システムは、飛行機の燃料消費を大幅に減らし、かつ騒音を抑えることができる。欧州では、二酸化炭素排気量を2050年までに75%減とする目標を打ち出している。現行の技術では達成不可能の野心的な目標だ、と2社は説明している。
エアバスは、二人乗りの「イーファン(E-Fan)」と呼ばれる電気飛行機をすでに開発した。シーメンスも、航空機用の電気エンジン開発に以前から取り組んでいる。
「2030年までには100人乗り未満の飛行機をハイブリッド型エンジン・システムで飛ばせるようになるだろう」と、エアバス・グループのトム・エンダース最高経営責任者(CEO)は声明で述べた。
この種の開発を目指す動きはほかにもある。米航空宇宙局(NASA)は、ハイブリッド型または電気のみの推進システムを航空機に使うことを目指した開発事業を2件ほど進めている。
NASAは、電気推進システムに関して研究が必要な多数の分野を2015年6月に定義している。
電気システムの課題は、大型で重い電池を機体に搭載しなければならないことだ。しかし、機体そのものが電源機能を果たせるのであれば、その課題を克服できる可能性がある。そのためには、素材や科学、ナノテクノロジー分野の進歩が求められる、とNASAは説明した。
また、NASAによると、電力でエンジン用扇風機を回すシステムでは、配電システム全体を高効率かつ軽量化する必要がある。地上で使われているような高電圧の変動周波数を進歩させることによって、必要な機器の大きさと重さを大幅に削減できる可能性がある。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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