農業分野の技術ソリューションを提供する新興企業が増えている。
世界の人口は2050年までに90億人に達し、食糧確保が人類にとって大きな課題になると予想される。そういった課題に対応するためのコンピュータ技術ソリューションを開発する企業は増えており、新興企業や農業大手、投資家にとって注目の動向となっている。
フォーチュン誌によると、スイスの新興企業ガマヤ(Gamaya)はこのほど、320スイス・フラン(320万ドル)の投資を調達し、無人飛行機(ドローン)と人工知能を活用することで農業の効率と効果を向上するための事業を構築する方針を打ち出した。
ガマハの出資者には、食品大手ネスレの元最高経営責任者(CEO)ピーター・ ブラベック・レッツマット氏や、製薬大手ノバルティスの前身であるサンドの創始者一族によって設立されたサンド財団(Sandoz Foundation)、スイスのベンチャー・キャピタル会社VIパートナーズ(VI Partners)が含まれる。
ガマヤは、スイス連邦工科大学の研究から派生した企業だ。ハイパースペクトル・カメラを使って農地の画像をとらえ、人間の目では見ることのできない水分や肥料、害虫、作物の様子を示す。
無人飛行機や人工知能を農業に活用する企業には、ノウカテック(NoukaTech)やプリシジョンホーク(PrecisionHawk)、ヴァイン・レンジャーズ(Vine Rangers)、エアウェア(Airware)といった新興企業がある。
世界各地の投資家が農業技術分野で有望の新興企業を発掘しようと躍起となっており、農業技術は、投資活動が活況している技術分野の一つになっている。シスコ・システムズの創設者で会長のジョン・チェンバーズ氏は最近、エアウェアに投資して取締役になった。
また、ベライゾンやIBMといった大手も、農業目的のデータやソフトウェアの事業に関心を寄せている。一方、生物化学および農業大手のモンサントは、大規模データ(big data)技術を手がけるクライメイト・コーポレーション(The Climate Corporation)を2013年に10億ドル近くで買収した。
米連邦航空局(FAA)は最近、企業による商業目的でのドローン使用を個別に許可する方針を打ち出した。許可の審査手続きは遅れ気味だが、規制緩和によって農業目的のドローンが農地上空を飛行してデータを収集するといった精密農業はこれから劇的に拡大する見込みだ。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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