砂糖の出荷ペースをめぐる米国との対立から、メキシコ政府は米国向け砂糖の輸出許可を取り消した。
ロイター通信によると、メキシコの砂糖評議会は業者にあてた書簡で、メキシコと交渉できる米当局者がいないため「法を重視する立場」からこのように決定したと説明しており、米商務省の担当者がまだ決まっていないことを理由の1つに挙げた。
メキシコは現在、原料のサトウキビ収穫の繁忙期で、工場はフル稼働しており、取り消された許可は4月に再発行される。
米国にとってメキシコは最大の砂糖供給国だが、両国の間では何年も前から貿易紛争が続いており、米国の製糖業者は価格問題や供給のひっ迫に直面している。メキシコの米国向け砂糖輸出枠は2014年の貿易協定に基づいて毎年改定されており、16〜17年期は82万トンとなっているが、米業界は16年末、商務省に「再交渉できなければ14年の合意を撤回すべき」と迫った。
トランプ新大統領も北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を優先課題に掲げ、両国間の対立を深めている。米国の新政権ではまだ多くの人事が未定であることも、貿易交渉をいっそう難しくしている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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