アマゾン(Amazon)のエコー(Echo)によって開拓された家庭用仮想執事スピーカー端末市場は、おおかたの期待以上に消費者によって受け入れられている。また、グーグル(Google)がエコーに対抗するグーグル・ホームを市場投入したことで、大きな市場に成長しつつある。
その結果、仮想執事スピーカー端末を使った買い物という消費行動が生まれ、日用品から食品、保険、配車まで多種多様業界の会社の販売経路と化し、買い物のあり方に変化をもたらし始めている。
エコーとグーグル・ホームは、アマゾンとグーグルのそれぞれの人工知能に接続されており、利用者との自然言語会話を可能にする。利用者が端末に音声指示を出すことで、端末がその内容を理解して答えるというのが基本的なしくみだ。端末は、アマゾンやグーグルの人工知能と利用者との窓口という役割を果たす。
エコーは現在、アマゾンのオンライン販売サービス「プライム・ナウ(Prime Now)」と連携し、利用者が声によって品物を注文すれば同日に配達されるサービスを可能にした。
かたやグーグル・ホームでは、ホール・フーズ(Whole Foods)やウォルグリーンズ(Walgreens)、ベッド・バス&ビヨンド(Bed Bath & Beyond)といった米日用品小売チェーン大手から購入できる機能を追加したばかり。グーグル・ホームはさらに、飛行便料金を追跡できるグーグル・フライツ(Google Flights)を12日に発表し、飛行便チケット購入にも対応した。
リテール・ウィーク誌が報じたアクセンチュアの調査結果によると、2015年時点で世界の検索件数に占める音声検索の割り合いは10%以上に達し、グーグルによると、2016年には米国内におけるアンドロイド端末のモバイル検索の20%が声によるものだった。
アクセンチュアの欧州小売業界担当部長リック・マレー氏によると、音声認識技術によってもっとも大きく変化する小売市場は、食料品やスーパーマーケットだ。
たとえば、消費者がエコーやグーグル・ホームから調理方法情報を取得し、それをもとに食材をそのままスピーカー端末経由で購入できることで、市場がすでに拡大傾向にある。食品や生活日用品を即座に注文できる便利さは、音声技術を介した小売り機能のもっとも明らかな利点の一つといえる。
アクセンチュアの調査では、ミレニアル世代(1980年代中盤から2000年代初頭のあいだに生まれた世代)の38%が音声注文を試してみたいと回答し、10%がすでに使っていると回答した。
【https://www.retail-week.com/topics/technology/how-google-home-and-amazon-alexa-could-change-retail/7019966.article】
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