米環境助成金を雇用対策に運用〜LG化学、オバマ政権に打撃
- 2013年2月14日
- 自動車関連
電気自動車(EV)用電池を製造する韓国のLG化学が、EV開発を目的にオバマ政権から助成を受けたにもかかわらず、現地生産を拡大しなかったばかりか、生産活動に従事しない労働者への補償に充てていたことが、米政府の調査で明らかになった。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、LG化学のミシガン州ホランド工場は、GMのプラグインハイブリッド車(PHV)「シボレー・ボルト」などに電池セルを製造するため、助成の半分を活用して約440人を雇用した。しかし、電池の需要が当初の期待を下回ったのを受け、LG化学は韓国産の電池で注文を満たし、ミシガン工場をほぼ稼動停止状態にしたという。
LG化学は声明で、ミシガン工場での生産の遅れは「市場主導」としたうえで、「生産開始の具体的な計画を吟味している」と説明した。
同社はさらに、助成の条件下で「認められていない雇用コスト」に対する弁済に活用したことを後悔しているとした。
エネルギー省の監査官であるグレゴリー・フリードマン氏によると、LGは2012年第3四半期、操業が停止されている工場で労働者のレイオフを回避するため、計160万ドルを支払い、その約半分に助成金が活用された。労働者は生産現場で働くこともなく、勤務時間中にゲームや映画鑑賞に興じたり、ボランディアで動物保護施設へ出向いていたという。
LGは調査を受け、活用した助成分を政府に弁済したという。
政府の助成をめぐっては、EV用リチウムイオン電池メーカーのA123システムズが約2億5000万ドルを受けながら、10月に経営破綻に追い込まれ、資産を中国の自動車部品企業に売却した。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ