家庭用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、2017年にデジタル広告支出を2億ドル削減したと発表した。ITやメディア企業から提供された視聴情報によって、広告が標的とする消費者層に十分届いていないことが示されたため。
ロイター通信によると、同社は世界最大の広告主で、デジタルメディア企業に圧力をかけ、広告視聴率の計算方法や広告代理店がいかに企業の広告予算を使っているかを開示するよう迫る運動の先頭に立っている。こうした運動に動かされ、フェイスブックやアルファベット傘下ユーチューブのような企業は現在、コンテントの質を調査して広告と無関係または不適切なコンテントを結び付けないようアルゴリズムを見直すようになっている。
P&Gのマーク・プリチャード最高ブランド責任者は、1日にフロリダで開催された全米広告主協会(ANA)のメディア会合で「透明性の高まりで現実が見えるようになり、われわれは大きな変革につながる貴重な教訓を学んだ。透明性のある視聴データによって、携帯電話でニュースを知る消費者の平均広告視聴時間は 1.7秒とほんの一瞬であることが分かった」と話した。
P&Gは、広告消費に関するこうした新情報によって17年はいくつかの大手メディア企業向けデジタル支出を20〜50%削減したという。4〜6月には1億ドル以上のデジタル支出を削り、残りの月に関しても同じペースで削減を続けた。
しかし、全体のメディア支出はほとんど減らさず、デジタルで削った分はテレビ、音声、eコマースなどのメディア向けを増やした。テレビ、紙媒体、ラジオ、インターネット、店内広告を含むP&Gの17年世界広告コストは71億ドル(前年は72億ドル)に上り、このうち約3分の1がデジタル支出となっている。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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