【ニューヨーク不動産最前線】
メリットが多いコープ

以前のコラムでコンドミニアムとコープの違いについてご紹介しましたが、今回はさらにコープについてもう少し詳しくご説明します。

マーケットに出回らないコープ

コンドミニアムは最近では日本人にもなじみで、日本でいう分譲マンションのことです。ほとんどの方はマンハッタンで見る高層の集合住宅ビルをコンドミニアムだと思っているかもしれませんが、実はマンハッタンの住宅ビルの8割弱がコープなのです。

にもかかわらず、外国人のみならずアメリカ人にもなじみが薄いのは、コープには長期で居住している人が多く、物件がマーケットに出る頻度が少ないのと、賃貸を制限しているためあまりマーケットに出てこないからではないかと思います。

有名ハリウッドスターや政治家、セレブがお金を積んでも入居を断られることのあるコープは、入居審査が厳しい、貸せない、規則がうるさい等と最近はアメリカ人にも敬遠されがちなのですが、実はいい面もたくさんあるのです。

住めば快適

まず、コープという名前が示すとおり建物自体はコーポレーション(組織)なので、当然建物はビルの管理です。共用部分はもちろん、部屋の内部の修理でもかなりの範囲でコープが面倒を見てくれます。入居審査が厳しい分、逆に一度住人になってしまえば、ご近所が騒がしいとか怪しいといったトラブルも少なく、快適に生活できます。コロコロ住人が入れ替わることや、お金は持っているけれど得体の知れないお隣さんというのはありません。

有名人やセレブが断られるのは、報道陣やファンが押し寄せるのを避けて、住んでいる人たちに快適に過ごしてもらえるようにという配慮の結果なのです。賃貸禁止というのも、短期間で住民が変わるというのを避ける意味ではうなずける方針ですね。

それから何といっても購入の金額が安いのが魅力です。コンドミニアムに比べると2割ほど安く、かつモーゲージをとる場合は購入時のクロージングコストも格段に安くなります。モーゲージ取得時にかかるモーゲージタックス(*モーゲージの額によりますが、最大でモーゲージの約3%弱)がコープの場合かからないため、その分コストが抑えられます。

米国生活が長くステータスの安定している方、自己使用でゆったりと生活したい方には、コープは悪くない買い物かもしれません。

※モーゲージタックスについてはその都度専門家にご確認ください。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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