eコマースプラットフォーム9選
– アメリカでのECサイト比較 –
by Saori Yoshida
- 2021年9月23日
アメリカでEコマースビジネスを始める際、山程あるプラットフォームからどれを選ぶべきか悩むだろう。そこで今回は、アメリカ人気の9つのプラットフォームをそれぞれのメリット・デメリットとともに紹介する。
アメリカでeコマースサイトを作る際に知っておくべきこと
アクセサビリティ対応
近年米国ではeコマースを含めたウェブサイトに関する訴訟が増えているため、アクセサビリティ対応を行う必要がある。具体的にはWCAG2.1 ( Web Content Accessibility Guidelines )に対応したサイトを作成し、訴訟リスクを下げることが必須。
こうした最新のガイドラインに対応できるアップデートが頻繁に行われているかも含め、プラットフォームの選択を検討していく必要がある。
アメリカでeコマースプラットフォーム9選
Shopify(ショッピファイ)
世界でもっとの有名なeコマースプラットフォーム。簡単におしゃれなサイトが作れる上、量の少ない取引から扱える。テクニカルに精通していない人でも気軽に商品をオンライン上で売ることができるサイトだ。
基本的にドラッグエンドドロップで完結するプラットフォームのため、コーディングが分からない方でも操作することができる。24時間365日のサポートもあり安心できる上、有名なECプラットフォームのため問題が起きた時の解決策も簡単に見つかる。更に、アップデートの頻度も高いため、セキュリティ面での信頼度も高いと言える。
GOOD
- 操作や管理が簡単
- サポート体制が万全
- セキュリティ面への信頼度が高い
BAD
- 利用料金が格安ではない
- カスタマイズの幅が限られる
小さなスケールでまず始めてみようという際はShopifyがオススメ。日々の運営上のメンテナンスやサポート体制がしっかりしているので、テクニカルの知識が浅い場合でも安心して使用することができる。カスタマイズに制限はあるものの、中小企業向けには便利なECプラットフォームだ。
Shopify Plus(ショッピファイ プラス)
Shopifyのエンタープライズ向けプラン。高成長マーチャント向けに設計されたプレミアムアプリやストアのブランディングをより細かく制御できるカスタマイズ可能なチェックアウトなど、細かいカスタマイズが可能。
パスワードで保護された別の卸売店を作成できる卸売チャネルが作れるので、BtoB用の専門的なプラットフォームも同時に用意することができる。料金はホームページでは明らかにされていないが、ミニマムで$2,000からと言われている。
GOOD
- 大企業向けの巨大スケールの本格的なサイトが作れる
- Shopifyの使用に慣れていると使い勝手が良い
BAD
- 高額な利用料金
- 日本語の対応がない
大企業の本格的なECサイトを構築する際は、一つの選択肢にできる。
BigCommerce(ビッグコマース)
中小企業から大企業までスケールの大小に関わらずオシャレなECサイトを作ることができる。Shopifyの次に名前が上がる有名サイトといったところ。
GOOD
- 操作や管理が簡単
- クーポンや割引の種類が豊富
BAD
- 利用料金が格安ではない
- カスタマイズの幅が限られる
安定感があるプラットフォーム。Shopifyと同じ価格帯で機能も似ている。王道のShopifyではないものを使用したいという方にはこれ。
Magento(マジェント)
スケールの大きなオンラインストアを利用する大企業で主に利用されているプラットフォーム。オープンソースのプラットフォームのため、プログラミングやディベロッパーが必要になるが、自由にカスタマイズができ個性的なデザインが可能。
GOOD
- 大規模なカスタマイズが可能
- ディスカウントやペイメントシステムの自由も効く
BAD
- 高額な利用料金
- エンジニアが必要となる
BtoBもBtoCも制限なく柔軟にカスタマイズが可能なプラットフォーム。巨大なストアには向いているが、小さなものにはおすすめできない。
WooCommerce(ウーコマース)
ワードプレスの無料プラグインで、ワードプレスのサイトを使用してオンラインサイトを運営できる。人気の理由の一つは、独自のセキュアな支払いシステムとショッピングカートを使っていること、オープンソースでカスタマイズも効く。また、既にワードプレスでサイトを使っている人はそこに追加するのみでOK。
プラグインベースのため、ウェブサイトのテーマで使っている他のプラグインと互換性が合わないことがあり、トラブルシューティングに時間がかかる。第三者が作成しプラグイン同士の兼ね合いになるため、WooCommerceのカスタマーサポートでは対応しきれずそれぞれのプラグインを検証することが必要になる。
WooCommerce自体は無料のプラグインで、WordPressのホスティングの料金を支払う必要がある。ECプラットフォームの中では利用者数が最も多いが、無料のためお試しでインストールしている人も多い。
GOOD
- WooCommerce自体は無料
- WordPressを利用できる
- 幅の広いカスタマイズが可能
BAD
- コーディングが必要
- トラブルシューティングに時間がかかる
利用料を考えると、最も安くスタートできるプラットフォーム。テクニカルな知識が必要ではあるが、既にワードプレスを利用している人にとっては気軽に始めることができる。
Squarespace(スクエアスペース)
ドラックエンドドロップで誰でも簡単にキレイなウェブサイトが作れるオールインワンのウェブサイトビルダー。おさしゃれでモダンなデザインのテンプレートが特徴。ウェブサイトと一緒に簡単に小さなビジネスとして始めることが可能。
GOOD
- きれいなサイトが作れる
- 誰でも簡単に操作が可能
BAD
- ECサイト目的で作られていない
- カスタマイズの制限が多い
モダンなデザインのプラットフォームで、数点の出品をしてみたい人にはオススメ。
Wix(ウィックス)
Squarespaceと同じで、簡単に始められるウェブサイトビルダー。デザイナーが作成した100種類以上のテンプレートの中から選ぶことができる。また、サポート体制もしっかりしているので、安心して始められる。$23/月のプランから、$500/月のエンタープライズプランまでが選べる。
GOOD
- テンプレートの数が多い
- 誰でも簡単に操作が可能
BAD
- ECサイト目的で作られていない
- カスタマイズの制限が多い
ウェブサイトの運営がメインだが、その傍らちょこっとオンラインでものを売りたい!という方にピッタリ。
Big Cartel(ビッグカルテル)
アーティストによる、アーティストのための芸術的見た目が特徴的なECサイト。ユニークなデザインに仕上げることができる。カスタムドメインが使用、インベントリーの管理ができる上、リアルタイムで売上のステータスを見ることが可能。25プロダクトまで掲載できる$9.99/月のプランから最大300プロダクトまで掲載可能な$29.99/月までの3つのプランがある。
GOOD
- 圧倒的な価格
- ユニークなデザインが作れる
BAD
- 最大で300アイテムまでの掲載
低価格でおしゃれなEコマースプラットフォーム。$10/月以下は格安。しかし、プランに幅がないため、スケールの大きいサイトには向かない。
Volusion(ボリュージョン)
「Eコマースを誰にでも」というモットーのプラットフォームで、スモールサイズでム新しく始めたい人には丁度いい。コードを操作する必要がなく、レスポンシブなテーマから好きなものを選択して短時間でECサイトがスタートできる。インベントリー管理、ペイメントコレクションなどの機能があり、無制限で商品を掲載できる。クレジットカードの登録も必要なく、14日間のお試しが可能。
GOOD
- おしゃれなデザイン
- 金額が安い
BAD
- 機能が少ない
簡単に小さく始めてみたい人に合うプラットフォーム。
アメリカでEコマース比較表
利用料で考えるのであれば、無料のワードプレスプラグインであるWooCommerceは安いホスティング企業を使用すれば月額数ドルから使用可能と、最も格安なオプションだ。
名前 | リンク | 料金 |
---|---|---|
Shopify | https://www.shopify.jp/ | $29 – |
Shopify plus | https://www.shopify.com/plus | 問い合わせ |
Big Commerce | https://www.bigcommerce.com/ | $29.95 – |
Magento | https://magento.com/ | 問い合わせ |
WooCommerce | https://woocommerce.com/ | 無料(ホスティング料が必要) |
SQUARESPACE | https://www.squarespace.com/ | $18 – |
Wix | https://www.wix.com/ | $18 – |
Big Cartel | https://www.bigcartel.com/ | $9.99 – |
Volusion | https://www.volusion.com/ | $26 – |
※料金は変更になることがあります。
結論
Eコマースのプラットフォームを選ぶ際には、サイトのスケールとどこまで本格的にするを基準にすると選び安いだろう。まずは小さく始めてみようという場合は、王道のShopifyやBig Commerceの利用がオススメ、エンジニアを使って本格的なサイトに仕上げたいという場合はMagentoなどを考えてはどうだろうか。
家具のついたアパートメントに引っ越して自分で家具の場所を動かすパターン(Shopify等)か、土地から探して自分好みの家を建てる(WooCommerce等)か、予算、期間、本気度、が選択のキーワードとなる。
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