アウトボックス、郵便物のデジタル化を拡大
- 2013年3月6日
- ハイテク情報
新興企業のアウトボックス(Outbox)は、郵便物をデジタル化するサービスを立ち上げて、一部の関心を集めている。
アウトボックスの利用者は月額5ドルを払って専用アプリケーションを使うことで、郵便箱を開けることなく郵便物を整理、返信を管理し、宣伝郵便物を処分できる。
テキサス州オースティン拠点のアウトボックスはこれまで、同サービスをオースティンだけで提供してきたが、2月末にサンフランシスコに拡張した。
利用者が受け取った郵便物は利用者の郵便箱から持ち出されてスキャンされ、専用アプリケーションによって利用者がそれらの画像を確認できる仕組み。
利用者は、後で見たい郵便物を仮想フォルダーに保管することもでき、また、返信が必要な郵便物のリストを作成することもできる。
ニューヨーク・タイムズによると、「郵便局が最初のソーシャル・ネットワーク」と形容する同社共同創設者のウィル・デイヴィスとエヴァン・ベアーの両氏は、「昨今の電子メールがちゃんと機能していない」と話す。
その証拠に、各種の請求書を電子的に受け取ることを選ぶ消費者が5人に一人しかいない点を指摘する。
両氏は、同サービスを立ち上げる前に約100世帯から事情聴取して、郵便物に関する要望や習慣を調べた結果、同サービスを開発した。
ただ、自分の郵便物を他人に取ってきてもらうことにID盗難の懸念がつきまとわないかどうかという声も同時に上がった。
両氏はそれに対し、同社への就職希望者を調べ、借金を抱えていないかを含めた信用調査も実施し、ID盗難の動機となる原因を抱えていない人だけを雇うと説明する。さらに、利用者がID盗難によって被害を被った場合に備えて、100万ドルの保険にも加入している。
アウトボックスがデジタル化した郵便物の電子ファイルは、保護されたウェブサイトに保存され、紙の郵便物はシュレッダーで処分される。
現在、アウトボックスの従業員らは、利用者の家やアパートを巡回して郵便物を収集し、それを倉庫に持ち帰ってスキャンし、デジタル画像をアップロードする。
生身の人間を利用者の郵便箱に派遣することは、同サービスを広範囲に展開することに向けて不可能なことに思えるが、アウトボックスは人口密度の非常に高い都市にサービス対象を限定することで、同サービスを機能させている。
両氏によると、利用者の郵便箱から郵便物を取り出すのは1週間に3回で済むという。
同社の今後の戦略としては、小売企業やケーブル・テレビ会社、理想的には郵便局と提携し、利用者の郵便物がアウトボックスに直接郵送されるようにすることを視野に入れている。
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