日本の戸籍の氏名にフリガナが追加されます~2025年5月「改正戸籍法」が施行〜

海外(日本国外)に長年居住されている人でも、ほとんどの人は日本の戸籍に関する証明書をご存じだと思います。親族的な身分関係(具体的には人の出生・死亡・婚姻・離婚・縁組などのこと)ならびに日本人の国籍に関する事項を登録・公証するもので、「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の2種類があります。戸籍謄本は戸籍の全員、戸籍抄本は戸籍の一部の人の証明書となります。私の以前のコラムでも、住民票と共に紹介しています。

【2019年10月17日付コラム】海外在住者が知っておくと役立つ日本の戸籍謄本と住民票について

ところで現在の戸籍の証明書おいては、氏名のフリガナは記載事項(対象)とされておらずその読み方は戸籍上公証されていませんでしたが、改正戸籍法の施行により、2025年5月26日から戸籍の記載事項に氏名に加えて、新たにそのフリガナが追加されることになりました。

1.改正戸籍法の目的

現在日本の多くの分野で推進されている行政手続きのデジタル化の一環としてこれまで検討されてきましたが、一方で戸籍情報の取扱いについて問題点も指摘されていました。日本固有である漢字は様々な字体や読み方があり、デジタル化の際のデータベースへの登録作業が複雑で、検索処理にも時間がかかります。また中には複数のフリガナを使用して別人になりすます不正行為も見つかり以前より問題化されていました。今回のフリガナ記載はこうした問題の対策のための一つとして行われます。

2.届出と確認の手続き

制度が開始される2025年5月26日以降、日本人(海外居住者を含む)は以下の手続きを行います。

1) 新たに戸籍に記載される方
出生や帰化などで初めて戸籍に記載される場合は、出生届や帰化届とあわせてフリガナも届け出ることになります。届け出先は日本居住者は市町村役場、海外居住者は在外日本領事館です。

2) 既に戸籍があり日本国内に居住されている(住民票がある)方
本籍地の市区町村から、戸籍に記載される予定のフリガナ(仮かな)が記載された通知が郵送で届きますので※1、正しいフリガナが記載されているか確認します。もしフリガナが間違っていた場合は、1年後の2026年5月26日までに正しいフリガナの届出が必要です。届出方法は、①本籍地または居住地の市区町村の窓口、②郵送、③マイナポータルを利用します。2026年5月26日までに届出がなかった場合に戸籍に記載されたフリガナは、一度に限り、家庭裁判所の許可を得ずに変更をすることができます。

3) 既に戸籍はあるが日本国内に居住していない、または住所が確認できない方
日本国内に居住されてない、または住所が確認できない方は、戸籍にフリガナは記載されず、また通知も届きません。これは制度開始に当たり、最初のフリガナは住民票上の氏名のフリガナを参照するためです。したがい該当する方は本籍地の市町村役場へ問合せしてフリガナの届出することをお勧めします。

4) 日本に住民票があるにもかかわらず通知が届かないケース
転居等の際に転居届を出し忘れていたり、届出の際の住所の誤字がある場合は通知が届かない可能性があります。万が一自分が該当すると思ったら市区町村役場に連絡して確認をおすすめします。

3.(参考)本籍地住所と居住地(住民票の住所)

フリガナの通知の郵送先は、戸籍に登録される最新の居住地であり本籍地住所ではありません。やや専門的な内容になりますが、「本籍地の住所」と「住民票の住所」は異なるものです。出生や日本国内の転居、または海外から帰国しての転入など、新たに住民登録するとその居住地住所は住民票だけでなく戸籍にも登録されます。したがい本籍地住所と居住地住所が異なる場合もあります。戸籍に登録されている居住地住所(過去の居住地も含まれます)は、本籍地市町村役場で「戸籍の附票」を取得することで確認できます

4.海外在住者のケース

1) 日本人(日本国籍)
上記2.3)でも説明しましたが、日本からの出国の際に海外転出届を提出(住民票の消除)している場合は、通知の送付は行われないことがあります。海外在住で、通知を受け取りたい場合は本籍地の市区町村役場に連絡し、以下の申出をお勧めします。

  • 郵送先住所(海外住所や日本国内の代理人住所など)を伝える
  • フリガナ通知の送付を希望することを申し出る

2) 外国籍を取得された方
日本転出後に自らの意思で外国籍を取得された人について、その後日本国籍の喪失手続きをしていれば既に戸籍はありませんので(除籍となります)フリガナは付きません。したがい日本に住民票がある場合でも通知はありません。

いかがでしょうか?海外在住者でもなじみのある戸籍ですが、初めての取り組みとなるのでわからない点が多々あると思います。詳細な情報や最新の手続きについては法務省のウェブサイト※2をご確認ください。

※1:フリガナの通知が実際に居住地に郵送されるのは7~8月頃になります。
※2:法務省Webサイト https://www.moj.go.jp/MINJI/furigana/flow.html

本コラムの英訳版/English translated version of this Column

http://www.life-mates.jp/Eng_Column4

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蓑田透 (Minoda Toru)

蓑田透 (Minoda Toru)

ライタープロフィール

早稲田大学理工学部卒業後、総合商社入社。その後子会社、外資系企業等IT業界で開発、営業、コンサルティング業務に従事。格差社会による低所得層の増加や高齢化社会における社会保障の必要性、および国際化による海外在住者向け生活サポートの必要性を強く予感し現職を開業。米国をはじめとする海外在住の日本人の年金記録調査、相談、各種手続きの代行サービスを多数手がける。またファイナンシャルプランナー、米国税理士、宅建士、日本帰国コンサルタントとして老後の日本帰国に向けた支援事業(在留資格、帰化申請、介護付き老人ホーム探し、ライフプラン作成、不動産管理、就労・起業、税務等の相談・代行)や、海外在住者の日本国内における各種代行、支援サービス(各種証明書の取得、介護・葬儀・相続など日本在住の老親のサポート)を行う。

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