燃料電池車の将来性は疑問〜日産、テスラ首脳
- 2014年1月15日
- 自動車関連
自動車業界では、コストや安全性、航続距離、充電施設の整備に関する懸念から販売が頭打ちとなっている電気自動車(EV)に代わる新技術として、一部で燃料電池車の開発が進められている。しかし、日産やEV専業テスラ・モーターズの経営首脳は燃料電池車の将来性を疑問視している。
ブルームバーグ・ニュースによると、日産のカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)は、東京モーターショーで「こうした車は燃料の補給所が少なく、必要なインフラの建設は非常に難しい」と語った。テスラのイーロン・マスクCEOも先月「燃料電池車は、複雑すぎてコストがかかりすぎるほか、水素のほとんどは天然ガスから作られるため十分にクリーンではなく、機能するテクノロジーにはなり得ない」と発言している。
ゴーン氏は早くからEVを代替エネルギー車として推進してきたが、「EVは消費者が充電施設の増加を待つ一方、投資家は販売が増えるのを待つという状況が続いていて売れ行きが鈍い。燃料電池車も同じような問題に直面するのではないか」と述べた。
トヨタとホンダは2015年までに水素燃料電池車を発売すると公言しているが、ゴーン氏はこの技術に対する消費者の受け入れ態勢が整うのは20年以降と見ており「ライバルは15年には燃料電池車を大量生産すると言ったが、非常に興味深い。インフラはどこにあるのか、誰が造るのか」と疑問を投げかけた。
燃料電池車の開発では現在、トヨタがBMWと、ホンダはGMと、ルノー/日産はダイムラーおよびフォードと提携している。東京モーターショーで燃料電池車の試作品を発表したトヨタの小木曽聡・常務役員は「向こう5年間は特定の技術が優勢になることはなく、異なるさまざまな環境テクノロジーが使われると考えており、トヨタとしてはどんな需要が高まって来ても対応できるよう準備している」と話した。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる