AT&T、大容量データ活用で顧客サービスを向上 〜 社用車の維持費削減も
- 2014年6月10日
- ハイテク情報
米通信サービス事業社(キャリヤー)大手AT&Tの通信網は、過去6年間で5万%拡大という驚異的な伸びをみせている。同社は、大幅に拡大した通信網と顧客基盤を背景に、サービス質の向上に向けて大容量データ(Big Data)の活用を強化することで顧客満足度を向上させている。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、AT&Tは過去6年間に無線および有線通信網の拡充に総額1400億ドルを費やし、その結果、同社は現在、毎時300億のデータ・ポイントを有し、通信網の質を監視している。
中継塔に何らかの支障をきたした場合、通常のシステムでは、どれほどの影響が加入者に出るのかを正確に把握することは困難だが、AT&Tが開発した中継塔不具合分析技術とデータ解析によって、どの地域でどのような悪影響が出ているかを把握でき、それをもとに、問題が起きた複数の中継塔をどの順番で修理すれば影響を最小限に抑えられるかを決定できる。
AT&Tの大容量データ担当副社長ヴィクター・ニルソン氏によると、同技術の導入によって顧客(加入者)の満足度が59%改善された。
また、大容量データの分析によって、一部の地域ではコスト削減につながる。たとえば、同社は、数万台のサービス車を運用しており、そのコストは決して安くない。サービス車の故障時の牽引にかかった費用は2013年には700万ドル、電池切れの対応には100万ドルがかかった。
そこでAT&Tは、それらのサービス車に検知器を搭載し、各車から約80種類の計測値を集め、そのデータをもとに、どの車がどのような修理や点検を必要としているかを予想することで、維持費を抑制しようと考えている。
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