SAP、料金とライセンス体系を簡略化 〜 複雑すぎるという顧客の声で見直し

 業務用ソフトウェア大手のSAPは、ソフトウェアの料金およびライセンス体系の見直しを7月までに完了した。料金体系が複雑すぎるという顧客の苦情を受けて実施したもので、2012年10月から約2年間で300社以上の顧客に聞き取り調査を行い、意見を反映させた。

 コンピュータワールドによると、最大の変化の一つは、特定の調達担当や業務過程ごとに各種ソフトウェアをまとめて提供する同梱製品の見直しだ。

 従来は、特定のソフトウェア機能だけが欲しい企業も、不要のソフトウェアが入った同梱版を購入する必要があった。

 たとえば、SAPは2013年まで、財務用にそれぞれ異なるライセンス基準を持つ7つのアプリケーションを提供していた。現在はそれらを「トレジャリー・オペレーションズ(Treasury Operations)」と「トレジャリー・アンド・リスク(Treasury and Risk)」の二つの同梱製品に整理し、料金基準を企業の収入で統一した。

 さらに、SAPの標準的デュアル・ライセンス体系も見直しを行った。

 SAPは今年初めに、「ハナ・エンタープライズ・クラウド(Hana Enterprise Cloud)サービス」の購読料金改定や、基本アプリケーション・ソフトウェア・ライセンスへの「フィオリ(Fiori)モバイル・アプリケーション」と「スクリーン・ペルソナ(Screen Personas)ユーザー・インターフェイス技術」の追加を発表している。

 既存顧客は新ライセンス体系へ移行でき、すでに料金を支払った同梱製品の一部についてクレジットを受け取る。

 一方、一部の登録利用者区分が排除されことに対し、顧客の一部で不満も出ている。

 コンステレーション・リサーチ(Constellation Research)のレイ・ワン創業者兼会長は、SAP同梱製品の購入企業に対し、ソフトウェアの要素ごとに料金内訳を確認する必要があると強調。「契約交渉に際し、(料金内訳は)不可欠」と述べている。

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