IBMのワトソンでがん治療法を発見へ 〜 クリーブランド・クリニックが導入

 米国最高峰の病院の一つであるクリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic)は、IBMの人工知能「ワトソン(Watson)」を基盤にしたクラウド電算サービスを新しいがん治療法の発見に活用するために試験的に導入した。

 IBMのジニー・ロメティー会長兼最高経営責任者(CEO)が医療業界会議のクリーブランド・クリニック・メディカル・イノベーションで明らかにした。

 コンピュータワールド誌によると、クリーブランド・クリニックの研究者らは、ワトソン・ゲノミクス・アナリティクスを使って遺伝子を解析することで、個々の患者の体質や特性に合わせた治療方法を開発する計画だ。

 ワトソン遺伝子解析機能によって特定された患者の遺伝子配列パターンと、膨大な量の医療データを組み合わせることで、当該患者にもっとも効果的と思われる治療法を発見および開発する仕組みと言える。

 クリーブランド・クリニックによると、DNAの突然変異をもとに各患者にとって最適の治療法を見つける時間も術もないのが現場の実情であり、より大量のデータを集めて解析する必要がある。そこで、ワトソンに白羽の矢が立った。

 ワトソンを医療研究に使う試みは、クリーブランド・クリニックが初めてではない。2014年3月には、ニューヨーク・ゲノム・センターががん研究にワトソンを導入したと発表している。

 一方、IBMは、ワトソンを基盤にした人工知能システムをクラウド・サービスとして提供する事業計画を8月に発表し、ワトソンの本格的商用化を模索してきた。業界専門家の一部では、ワース(Watson-as-a-Service)と呼ばれこともある。

 ワースは、IBMが以前に買収したデータ・センターおよびクラウド技術企業のソフトレイヤー(SoftLayer)の設備によってホストされる。

 将来的には、DNA関連の研究結果や治療方法の選択肢について医師がワトソンに質問し、ワトソンがそれに回答することも視野に入っている。

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