駐車場探しにもビッグ・データ 〜 中国人起業家がボストンでサービス開始

 大都市の問題の一つは、空いている駐車場を探すことだ。その一方で、駐車場経営側では、満車で断るときもあれば、がらがらの時もあるため、状況を読むのに苦労している。そうしたなか、新興企業のスマーキング(Smarking)が新たな解決策を提示した。

 テッククランチ誌によると、ボストンで設立されたスマーキングは、大規模データ(big data)と分析、そしてクラウド電算を活用して、過去から現在にいたる多種多様のデータを分析して割り出した駐車需要傾向を駐車場経営者に提供する。

 駐車場経営者らはそれをもとに価格設定を最適化する。スマーキングが提供するデータや分析結果には、駐車場の空き状況に加えて、天候や航空便スケジュールといった駐車場需要に影響を与える要因も含まれる。

 スマーキングのサービスでは、当該駐車場に関する歴史的データとリアルタイムで集めたデータを比較分析し、その分析結果が顧客(駐車場管理者)のパソコン画面にダッシュボードとして表示される。同社の技術は、既存のシステムに対応している。

 データと分析結果から需要が低いと判断できれば、駐車場側は料金を引き下げ、需要が低いことを事前に予想できる場合には従業員の出勤を減らすことでコスト削減も可能となる。

 スマーキングのサービスでは、駐車スペース稼働データを利用客と共有できることから、駐車場のウェブサイトに利用者がアクセスして空き状況を確認できる。

 同社の共同創設者であるウェン・サン最高経営責任者(CEO)は、「データ分析技術を駐車場運営に使えるのにだれもやっていない」と話す。

 2010年に中国からボストンに移民してきた同氏は、車を初めて買った際に、駐車スペースを見つけることが難しかったことからその事業案を思いつき、マサチューセッツ工科大学の新興企業育成プログラムによって2014年に起業した。

 スマーキングは当面、サンフランシスコとボストンで同サービスを展開する計画だ。

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