食習慣までバフェットまねるな〜ハインツのクラフト買収で栄養学者
- 2015年3月27日
- 米国ビジネス
投資会社バークシャー・ハサウェイ傘下の食品大手H・J・ハインツによる同業のクラフト買収で、バークシャーを率いる投資家ウォーレン・バフェット氏(84)は自身の好みでもあるスナック菓子など多くの食品ブランドを資産目録に加えた。しかし栄養学者らは「投資のノウハウはさておき、食生活まで氏のまねをしてはいけない」と警鐘を鳴らしている。
ロイター通信によると、バークシャー・ハサウェイはブラジルの投資会社3Gキャピタルとともにハインツの経営を支配しており、今回の買収でクラフトのベルビータ・チーズ、ジェロ、ランチャブルズ、ウインナーのオスカー・マイヤー、粉末ジュースのクールエイドなどを傘下ブランドに加えた。
氏はすでにバーガーキング、コカ・コーラ、ドーナツチェーンのティム・ホートン、シーズ(See’s)キャンディーズ、ソフトクリーム店デアリー・クイーンなどにも投資している。バークシャー・ハサウェイの本拠地ネブラスカ州では「オマハの賢人」と称されるバフェット氏だが、食に関しては糖分や塩分摂取量の多い生活を送っていることで知られ、自身が投資するブランドの中でもジャンクフードに類する食品を好んで食べている。
例えば、好きな朝食メニューはアッツ(Utz)の細切りフライドポテト「Potato Stix」とコカ・コーラで、コーラはこれを除いて1日に4本以上飲むという。本人も「6歳の子供のような食べ方」を自覚しており、2010年3月のCNBCとのインタビューでは「今から毎日ブロッコリーやアスパラガスだけを食べれば1年長生きすると言われてもチートスを食べ、コークを飲み続ける」と話した。
コロンビア大学医療センターのデイビッド・セレス医学的栄養専門家は、バフェット氏の投資が国民に最悪のメッセージを送っているのではないかと心配し、「彼の食生活や栄養に対する全般的な姿勢は模範的とは言えない」と警告している。
しかし、金融アナリストのトニー・シュラー氏はこれを投資家としての強みと解釈している。「バフェット氏の食に対する感覚は中流のアメリカ人と同じで、大部分の消費者の味覚に何がアピールするかを知っている。ニューヨークと中西部を比べれば分かるように、米国の大部分では都会のように野菜がトレンドという訳ではない」
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