米海兵隊、拡張現実メガネを訓練に採用 〜 NASAも宇宙飛行士訓練に活用
- 2015年5月26日
- ハイテク情報
米海兵隊(U.S. Marines)は、兵士の戦闘訓練に拡張現実(augmented reality=AR)技術を活用している。
最近では、カリフォルニア州ロス・ガトス拠点のSAフォトニクス(SA Photonics)が完成させたばかりの拡張現実対応メガネを海兵隊員に装着させ、バージニア州のゴルフ・コースに戦車や炎、煙のイメージを重ね、模擬戦場を再現した。
コンピュータワールドによると、拡張現実システムによって兵士らとその指揮官は、駐留所に近い安全な場所で戦場さながらの訓練や、さまざまの状況に応じた訓練を実行でき、また、模擬戦場用に実際に建物を作ったり、戦車や仮想敵兵を用意したりする費用も削減できる。
さらに、海兵隊にとってもっとも重要なこととして、兵士の状況認識を向上させ、幅広い情報にもとづく意思決定を支援することが期待されている。
テクノロジー・ビジネス・リサーチ(Technology Business Research)のエズラ・ゴットヘイル氏は、こうした現実拡張システムは軍隊だけでなく、捜索救助組織や緊急救援隊にとっても有用であると指摘し、「あらゆる種類の訓練に応用可能」と話す。
また、ZKリサーチ(ZK Research)のゼウス・ケラヴァラ氏も、今後は多くの業界で拡張現実技術の採用が進むと予想。「(拡張現実技術は)人々の応答時間の改善に役立つ」「実際の戦場で練習するわけにはいかないが、拡張現実メガネの使用はその次善策だ」と期待する。
米政府機関としては、米航空宇宙局(NASA)でも、小惑星や火星に向かう宇宙飛行士を支援する目的でスマート・メガネを試験中であることを3月に明らかにしている。
NASAの拡張現実メガネは、サンフランシスコ拠点のオスターハウト・デザイン・グループ(Osterhout Design Group)が開発したもので、 NASAが開発したアプリケーションとソフトウェアを利用している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ