BYOAを容認する企業が増加 〜 利点は大きいがセキュリティー・リスクも
- 2015年9月1日
- ハイテク情報
業務に必要なソリューションを職場から与えられるのを待つ代わりにBYOA(bring your own application)が広がりつつある。
BYOA(自分のアプリケーションを持参)は、BYOD(bring your own device)のアプリケーション版で、従業員が問題解決や効率化のためのアプリケーションをみずから開発したり、個人用クラウド・アプリケーションを仕事に使うことだ。
PCワールド誌によると、BYOA普及の背景には、個人用生産性アプリケーションの安価さや、業務にも実際に役立つこと、また各種アプリケーション開発キットの利用によってIT部署以外の社員でもソリューション開発が可能になったことがある。
情報アクセスにおける柔軟性の向上をはじめ、ソフトウェア・ライセンス購入費の削減、従業員がよく知ったソフトウェアを利用することによる訓練コストの削減、そして生産性の向上と、BYOAは企業にさまざまの利益をもたらす。
その一方で、データ・セキュリティをはじめ、規定遵守にかかわる懸念、端末の紛失や盗難、従業員による悪用、ウイルスや不正ソフトウェア感染リスクの上昇という課題も指摘される。
また、ソフトウェア企業のPMGが実施した調査によると、IT担当責任者の80%は、BYOAを管理する仕組みや方針を整備していない。
しかし、BYOAの極端な規制は企業にとって賢明ではないという意見もある。たとえば、オハイオ州ポーテージ郡情報技術サービス(Portage County Information Technology Services)のブライアン・ケリー最高情報責任者(CIO)は、優秀な人材の獲得や維持を困難にする危険があると指摘する。
複数の業界専門家の意見をまとめると、BYOAに関する最善慣行には下記4つが含まれる。
▽参加を歓迎する。アプリケーションに関する要望を従業員から聞き、もっとも人気があるもの、そして企業の戦略的目標の達成にもっとも貢献しそうなものは何かを検討する。
▽クラウド技術を受け入れ、それを機に既存のITシステムを精査する。
▽市販のアプリケーションを分析し、もっとも安全なアプリケーションの特定に役立てる。
▽アプリケーションの独自開発を希望する従業員を、ツールの提供や、企業向けシステム開発に役立つ講習会の提供によって支援する。
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